イオンとセブン&アイの、戦略の違いどちらに軍配?

GMS復活へ「総合の強み」再定義

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イオンスタイル御嶽山駅前店
 総合スーパー(GMS)事業復活の処方箋は―。イオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)で傘下のGMSに対する戦略の違いが鮮明になってきた。約40店の閉鎖を発表したセブン&アイ傘下のイトーヨーカ堂に対し、イオンは不採算店を閉めないで改革する方針だ。GMSが曲がり角を迎えるなか、軍配が上がるのはどちらか。

 GMSの置かれた状況は厳しい。イオンのGMS運営会社であるイオンリテールは2015年3―11月期の営業赤字が約258億円、イトーヨーカ堂も同144億円の赤字で両社ともに前年同期に比べ赤字幅が拡大。一刻も早く”止血“が必要な局面にある。

 「間違っていない」。イオンリテールの岡崎双一社長はGMS改革の方針について自信を示す。イオンでは店舗を閉鎖せず、改装などで業態転換する方針を掲げている。岡崎社長は「閉めないで店舗を継続するのは大変だ」といい、閉めた方が楽と言いたげだが、イオンによるGMS活性化の切り札が「イオンスタイル」だ。セレクトストアの集合体のような接客重視型の店舗へ転換を急いでいる。

 イオンスタイルはすでに東京都の「御嶽山駅前」、大阪府の「四條畷(しじょうなわて)」など数店あるが、「好調に推移しており、今年は(既存GMSの)41店の改装(イオンスタイル化)を計画している」(岡崎社長)という。

 店舗閉鎖の公表が一人歩きしている感のあるヨーカ堂だが、GMSの業績改善という大命題を突きつけられているのはイオンと同じだ。1月に入って業績不振の責任をとる格好で戸井和久社長が退任。ヨーカ堂の顧問で元社長だった亀井淳氏が再登板した。

 亀井氏はヨーカ堂やショッピングセンターのテナント導入・管理をするモール・エスシー開発の会長も兼ねている。ある業界関係者は「亀井氏は地元との調整など、困難な作業が伴うヨーカ堂の店舗閉鎖を断行し、直営面積の適正化などに取り組むのでは」とみる。

 すでにGMSは直営の衣料品や住居関連商品などで手を替え品を替え改革してきたが、業績は浮上しない。「不採算店は閉め、残る店舗は直営部分を大胆に減らし、テナントで埋めて機能を補完する方針ではないか」との見方もある。

 セブン&アイの村田紀敏社長も「モール・エスシーが各店舗と一緒になって改革をしている」ことを明らかにしている。亀井氏の再登板でこうした直営、テナントの比率の見直しが加速するのではないかというわけだ。

 「総合の強み」(村田セブン&アイ社長)を再定義し、新たな買い場に変える局面を迎えたのは確かなようだ。

2016年1月26日生活面

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GMSに消費者がワクワクするようなお店づくりを期待しています。

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