バイオ医薬品の生産に独自のデータマイニング、アステラス製薬の期待

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アステラス製薬は医薬品のモノづくりを効率化する独自のデータマイニングシステムをバイオ医薬品の生産工程に導入した。現場で得られた膨大なデータをリアルタイムに集め、網羅的に解析することでリスクを予測し品質や生産時のトラブルを未然に防ぐ。生産プロセスを効果的に改善でき、高品質な医薬品の安定供給につながる。低分子医薬品やバイオ医薬品に加えて、今後は細胞医療などに用いる細胞製剤の生産にも活用する。

アステラスが開発したモノづくりデータマイニングシステム「ダイモン」は最先端のデータ管理と解析が可能。生産の工程管理や品質試験のほか、原料の特性、水素イオン指数(pH)値や粘度、製品の温度といった製造パラメーターを含むあらゆるデータをモニタリング(継続監視)できる。

研究開発の段階で蓄積した知見を商用生産に当てはめ、既知の関係を確認した上で、専門の人材がデータサイエンスを用いた高度な解析によって未知の関係性を見いだす。原料や設備、プロセスの変更時などに起きる生産工程の異常などを自動で検知し、潜在的なリスクを把握するほか、品質や生産トラブルの原因究明にも役立つ。

ダイモンはまず低分子医薬品に実装し、一定のノウハウが得られたことからバイオ医薬品に展開した。ある工程の作業を見直す際に、データ解析により事前に結果を高精度に予測できた。さらに人工知能(AI)なども組み込んで機能を拡張していく見通しだ。

品質や生産のトラブルは事後対応が煩雑になるだけでなく、患者の健康にも関わる重大な問題。研究員によると「人では気づけなかった新たな知見も得られ、こうした知的サイクルを継続的に回すことでモノづくりを高度化できる」という。

日刊工業新聞2022年9月20日

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