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保守部品の配送計画立案作業、10分の1に短縮する量子技術の威力

NECと、情報通信技術(ICT)機器の保守サービスを手がけるNECフィールディング(東京都港区、鈴木浩社長)は、量子コンピューティング技術を活用した保守部品の配送計画立案システムを構築し、10月から東京23区内における保守部品の配送で本格導入する。大規模な組み合わせ問題を超高速で解くNECの「ベクター・アニーリング」技術を活用。毎日2時間かけて行っている翌日分の保守部品の配送計画立案作業を10分の1の12分に短縮する。

配送計画立案システムのイメージ

導入先は都内南部に約6000平方メートルの倉庫を抱え、約15万点の保守部品在庫を持つ「東京パーツセンター」。軽車両30台とバイク8台を用いて管轄の東京23区で1日数百カ所に配送している。

従来、配送計画は熟練の作業者が勘と経験で策定してきたが、ベクター・アニーリングをベースとしたデジタル回路による疑似量子計算を2月から実施。実証実験を繰り返した結果、量子コンピューティング技術で立案した配送計画が熟練者と同等程度の内容であることを確認した。

これを踏まえ、まずは約50件の翌日分の配送計画に適用する。業務範囲や対象地域を順次拡大し、配送距離の短縮などにより、配送費用は従来比3割程度の削減を見込む。

ICT機器の保守は配送地域や部品の種類、配送車両の組み合わせが膨大で、配送計画の立案作業に時間がかかる。東京パーツセンターの場合、組み合わせパターンを総当たりで計算すると、10の753乗となる。

日刊工業新聞2022年9月15日

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