ホンダが“稼ぎ頭”2輪事業で模索する脱炭素時代の最適解

2030年に電動車350万台販売へ

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質問に応える(左から)竹内副社長と野村常務執行役員

4輪車に続き2輪車の領域でも電動化の流れが加速してきた。ホンダは13日、2030年に販売台数の約15%(22年3月期は0・4%)に当たる年間350万台の電動車販売を目指すと発表した。電動車などの投入で、40年代には全ての2輪車製品においてカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を図る。脱炭素の時代においても世界トップシェアの強みを発揮できるか、正念場に立っている。(江上佑美子)

「内燃機関の搭載車同様に電動車でも操る喜びを提供し、電動車ならではの価値も提供する」。ホンダの2輪車事業を統括する野村欣滋常務執行役員は13日の会見で強調した。24―25年に個人向け2車種、大型2輪車3車種を投入。世界の電動2輪車市場の9割強を占める最高時速50キロメートル以下の電動モペットと電動自転車も24年までに計5車種発売し、幅広いニーズに応える。電動車はソフトウエアとの親和性が高い点を生かし、航続距離を踏まえたルート案内などのサービスも24年から順次提供する予定だ。

2輪車事業はホンダにとって稼ぎ頭だ。22年3月期の営業利益率は14・3%と、2・5%にとどまる4輪車事業に比べ水準は高い。電動化によるコスト増が見込まれる中、竹内弘平副社長は「全固体電池など4輪車向けに開発している技術を2輪車にも使う」と話す。電池とモーター、パワーコントロールユニット(PCU)を組み合わせたプラットフォーム(車台)も開発、コスト低減による競争力の強化を図る。

2輪車市場はホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキモータース(兵庫県明石市)の国内4社が世界シェアの約5割を握る。脱炭素関連の事業展開や技術開発については協調することで迅速に進め、存在感を維持する方針だ。4月にはENEOSホールディングス(HD)と国内2輪車メーカー4社が交換式電池のシェアリング会社を共同で設立、今秋にサービスを始める。

電動化以外の解も探る。カワサキモータースとヤマハ発は、21年に2輪車用水素エンジンの共同研究に着手。ホンダ、スズキなども参画している。

 ホンダは4輪車事業では40年の“脱エンジン”を掲げている。ただ2輪車については引き続き内燃機関も活用し、ガソリンとエタノールの混合燃料に対応した車種などの投入を進める考えだ。  野村常務執行役員は2輪車について「50年のカーボンニュートラル達成の中心を担うのは電動化」としつつ、「電池の搭載量や価格の面で4輪車以上の難しさがある」との認識を示す。政策に左右される部分も大きいとした上で、「まずは30年に350万台買ってもらえるような電動車を出す」と強調する。最適解を模索するトップランナーの動きが注目される。

日刊工業新聞2022年9月14日

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