コマツが30トン級「ハイブリッドショベル」フィリピン輸出、社長が語る勝算
コマツはフィリピン向けに30トンクラスのハイブリッドショベルの輸出を始めた。アジアでのハイブリッドショベル展開は中国とインドネシアに続き3カ国目。ハイブリッドショベルは一般的なエンジン式ショベルより3割ほど低燃費な点が特徴。原油高で軽油の値段が急上昇し、ユーザーの間でハイブリッドショベルの価値を見直す動きが広がっている。「量産化で先行している当社の優位性を生かせる」(小川啓之社長)とみて拡販する。
フィリピンの客先はニッケル鉱山会社が主で、台数は非公表。ニッケルは電気自動車(EV)のリチウムイオン電池(LiB)の正極材に使われ、需要が急拡大している。
コマツは2008年に、他社に先駆けてハイブリッドショベルの量産を開始した。作業中に旋回する車体が減速するときのエネルギーを電気に変換、再利用することで燃費性能を向上させる。環境意識の高い欧州向けの30トンショベルでは、約4割をハイブリッド式が占めるとしている。
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日刊工業新聞2022年9月13日