トラック業界で始まるEV競争、三菱ふそう・日野自・いすゞが相次ぎ投入へ

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新型「eキャンター」を紹介するカール・デッペン社長

国内で電気自動車(EV)トラックの競争が本格化する。三菱ふそうトラック・バスは7日、小型EVトラック「eキャンター」を全面改良し、2023年春に発売すると発表。新型車は電池容量、車両サイズ、積載量などを選べ、幅広い用途に活用できる。同社は39年までに販売する車両を全てEVか燃料電池車(FCV)に置き換える方針で、ラインアップの拡充を急いでいる。物流業界の脱炭素化の動きを受けて競合メーカーもEVトラックの投入に動いており、競争は激しさを増しそうだ。(石川雅基)

「顧客のニーズに柔軟に対応できるようになった」。三菱ふそうのカール・デッペン社長は新型車の特長をこう強調する。同日初めて公開した新型車は、28種類から最適な車両を選択できる。物流企業の配送車両だけでなく、特装車などにも対応する。車両の選択肢を広げて差別化し、顧客の囲い込みを狙う。価格は23年春頃に発表する。

車両総重量は5トン、6トン、7・5トン、8トンを用意。電池は容量41キロワット時で航続距離が約80キロメートル、83キロワット時で約140キロメートル、124キロワット時で約200キロメートルの3タイプから選べる。航続距離を現行モデルの最大2倍まで伸ばした。電池は世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)製を採用。先進運転支援システム(ADAS)も機能を拡充した。今後、欧米や東南アジアなどにも投入する。

EVトラックをめぐっては、国内競争が激化している。日野自動車は6月、小型EVトラックを初めて発売。航続距離は約150キロメートル。荷室の高さを通常の小型トラックの半分にし、積み降ろしの負担を軽減した。既にヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマト運輸が500台の導入を決めている。いすゞ自動車は23年3月までに小型EVトラックを発売予定。スタートアップのEVモーターズ・ジャパン(北九州市若松区)は、年内にも小型EVトラックの受注を始める。

各社が開発を急ぐ背景には物流企業の脱炭素化の流れがある。ヤマトHDは、EVを30年までに2万台導入する。佐川急便は保有する軽自動車7200台を全てEVに切り替える方針を示している。

日刊工業新聞2022年9月8日

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