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【閲覧注意】太陽電池を背負い充電できる「サイボーグゴキブリ」が生まれた!

理化学研究所の福田憲二郎専任研究員と片山俊平研修生、染谷隆夫主任研究員らは、早稲田大学とシンガポール南洋理工大学と共同で、薄型有機太陽電池を背負い充電できるサイボーグゴキブリを開発した。ゴキブリの行動を制限しにくい薄型有機太陽電池の実装法を確立した。ゴキブリに限らず、幅広い昆虫に搭載して、サイボーグ化する道が開ける。

サイボーグゴキブリはゴキブリを遠隔操作するもの。厚さ4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の薄型有機太陽電池をマダガスカルゴキブリの腹部背面に貼り付ける。蛇腹構造のように伸縮するためゴキブリの歩みを阻害しない。起き上がり試験はほぼ100%復帰できた。これに電子基板を背負わせて遠隔操作する。太陽電池の発電力は最大17・2ミリワット。30分間の充電で2分間、遠隔操作できた。

遠隔操作ではお尻の尾葉に電気刺激を送る。前進や左右に曲がるなどの行動を誘発できる。ゴキブリは物陰に隠れる習性があるため、太陽光の下に留まる誘導アルゴリズムなどを開発する。

サイボーグゴキブリは、がれきの下の要救助者を探すなど、狭小空間にセンサーを運ぶ役割が期待されている。充電が可能になると稼働時間が延びる。太陽電池の実装法は走光性の昆虫に応用できる。有毒ガスセンサーを災害現場で運ぶなどの用途が広がる。

日刊工業新聞2022年9月6日

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