動産金融は根付くのか

東京スター銀行の商用車担保ローン、 融資件数右肩上がり

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商用車担保ローンの実行累積件数
 東京スター銀行は動産・債権担保融資(ABL)を積極化する。所有する事業用トラックなどを担保にできる「商用車担保ローン」の2016年3月末の実行累積件数は、年度計画の150件を超えそうだ。小口の売掛金をまとめて担保にできる「売掛債権担保ローン」もグループ全体での顧客数を15年12月までに14年3月に比べて約6割伸ばした。小回りが利く地域金融機関の特徴を生かして、中小企業の資金需要を取り込む。

 「商用車担保ローン」の貸出金額は、14年度までは500万―1000万円が多かった。15年度は従来よりも小口の融資も積極的に取り扱いを始めたことで、期初計画の120件を150件に引き上げたが、12月末で144件まで伸びている。中小零細の運送業や建設業では、人手確保のための人件費高騰などで資金需要が高まっている。「東京五輪までは現在の引き合いが続くのでは」(同行担当者)。

 売掛債権担保ローンも好調で「来年度以降も同様の伸びが期待できる」(同)。同行や子会社の東京スター・ビジネス・ファイナンスが手がける売掛債権担保ローンは、15社以上の継続的な小口多数の売掛債権を担保として評価し、運転資金を提供する。卸売を中心に製造、運送などの事業者の利用が多い。

 ABLは不動産などの担保がない企業でも融資を受けやすく、ベンチャーや中小企業は資金調達を多様化できる。金融機関も新たな融資先の開拓につなげられる。

2016年1月21日付日刊工業新聞金融面

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

経済産業省によると、2012年の国内のABL市場規模は9643億円。米国では事業向け融資に占めるABLの割合は20%に迫るが、日本は0・1%程度にとどまるという。ただ、「試験的な取り組みによって市場が拡大する『黎明期』から適合性の高い案件が選択される『第2期』に移行したとの見方もある」と指摘しています。

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