トヨタ「クラウン」「レクサス」搭載、豊田織機が新工場で製造する新構造電池の正体
豊田自動織機は、愛知県東浦町に車載用電池の新工場「石浜工場」を設立し、10月に稼働を始める。ハイブリッド車(HV)向けの新構造電池を製造し、月産能力は2万台分。電池事業として2021―22年度にかけて計約600億円を投じる計画。すでに量産を手がける共和工場(愛知県大府市)と合わせて、生産能力を月4万台分に引き上げる。
生産するのは「バイポーラ型ニッケル水素電池」で、正極と負極を一つの構造体に集約することで小型化と高出力化を両立した。21年7月に発売したトヨタ自動車のHV「アクア」に初採用されており、今後は旗艦モデル「クラウン」の新型車や、高級車ブランド「レクサス」の新型スポーツ多目的車(SUV)「RX」にも搭載される予定だ。
石浜工場の建屋面積は2万平方メートルで、従業員数は340人を見込む。同工場では第2期棟の建設も進めており、建屋はほぼ完成した。現在は生産準備中で、同規模の生産能力で23年度以降の生産開始を計画する。電動車の需要増に備えて電池の生産増強を図る。
日刊工業新聞2022年8月31日