トヨタ九州社長「レクサスのFCV生産に関わりたい」

金子達也氏に聞く

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金子社長
トヨタ自動車九州(福岡県宮若市、金子達也社長、0949・32・5151)が好調だ。高級スポーツ多目的車(SUV)「レクサスRX」「同NX」が国内外で人気で、2015年度の生産台数を当初予想の35万台強から37万台強に上方修正した。07年度には約44万台を生産したが、08年のリーマン・ショックや中国の販売不振で数字を落としていた。金子社長に16年の意気込みを聞いた。

 ―16年度は40万台超えが期待されます。
 「新車投入効果が薄まるので、30万台以上を1台でも多く作ると話すにとどめる。ピークの07年当時と比べて車両が大型・高級化しているため、今がほぼフル生産だ」

 ―春には開発棟が完成、稼働します。
 「新興国を含めて全世界でラグジュアリー(高級車)市場は拡大する。レクサスはほぼ現地生産を行わないため国内生産は増す。生産と開発が近くにある九州の可能性はさらに高まるはずだ。また開発に携わることで収益が安定し、コスト意識もさらに高まる」

 ―14年6月の就任以来、マーケットの重要性を説いています。
 「レクサスを購入する顧客はスタイルからインテリアまでブランド力を求める。品質だけでなく、車そのものに対するときめきが必要だ。そのことを社内でも伝えている」

 ―独フォルクスワーゲンの排ガス不正問題について影響は。
 「自動車業界の特徴として、ある特定メーカーが不祥事を起こしても、顧客はなかなか他社に流れない。そんなことよりも、グローバルでレクサスの認知度をどう底上げするかが大事だ」

 ―1月に環境プラント部を新設しました。
 「工場から排出される二酸化炭素(CO2)削減に取り組む。福岡県は水素社会実現を目指しており、当社も関わっていきたい。積極的に取り組むことでやがてグループ内で役割が求められる可能性もある。レクサスの燃料電池自動車(FCV)生産が実現すれば、関わりたい」

【記者の目・「グローバルマザー工場」に】
 トヨタ九州はこの春念願だった開発体制が整う。このタイミングで親会社であるトヨタ自動車の豊田章男社長が、20年をめどにレクサスのFCV投入を明らかにしたのは偶然ではないだろう。トヨタ九州にとって16年は、グローバルにおけるマザー工場としての位置付けがより明確になる、転機の年になる。
(文=大神浩二)

日刊工業新聞2016年1月22日 中小企業・地域経済2面

COMMENT

三苫能徳
西部支社
記者

レクサスブランドに限らず、トヨタ九州でのFCV生産はぜひ実現してほしいです。 福岡県が進めてきた水素社会の先進地化は、研究機関の進出や実証試験の実施など着実に形になってきています。そこにトヨタのFCV生産が加われば、イメージ的な部分はもちろん、実質的な部分でも水素関連産業の底上げにつながるはずです。 欲張って言えば、生産移管ではなく開発段階から福岡でやってもらいたいものですが。

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