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携帯型心電計が相次ぎ発売される背景は…?

診断効率化、地域包括ケアの推進
携帯型心電計が相次ぎ発売される背景は…?

スマホで医師に心電波形データを送信(ユニオンツール)

 心臓疾患の早期発見や悪化防止に活用できる携帯型心電計が相次ぎ発売される見通しとなった。ユニオンツールは、消費者が測定した心電波形をインターネット経由で医師へ共有できる仕組みを2016年春にも発売する。射出成形加工のグリム・エナジー(福島県川俣町)は、24時間分の計測データを解析するサービスを16年夏から秋に始める。両社はこうした診断の効率化が、医療機関の混雑緩和や地域包括ケアの推進につながる点を訴求していく。

 ユニオンツールは携帯型心電計「マイビート ホームECG」が、早ければ16年春に医療機器として承認される見通し。利用者が測定器を持つと近距離無線通信でスマートフォンに波形が送られ、スマホからインターネット経由で医師へ解析データが共有される。価格は今後詰めるが、初期費用は数万円、月額費用は1000円未満とする考え。大規模な医療機関に販売し、患者へ貸し出してもらうことを想定している。

 グリム・エナジーの装着型心電計「デュランタ・ホルター」も16年夏をめどに承認される見込みで、主に開業医へ販売する。医師が同機をパソコンに接続して計測データをウェブへ送信すると、自動で解析を行い医師へ通知する。同機は24時間分のデータを記録できる。機器代は10万円程度とし、解析1件ごとに課金も行う計画。

 日本では専門医に患者が集中する傾向が指摘されており、16年度からは紹介状なしで大病院を受診した患者は原則として追加料金が必要になる。診断の効率化や、開業医へ患者を分散する地域包括ケアの推進も対策として求められ、ウエアラブル端末やITの役割が高まるとみられる。携帯型心電計はオムロンやトライテック(東京都品川区)なども手がけており、競争が激しくなる可能性がある。
日刊工業新聞2016年1月19日 ヘルスケア面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
毎日大混雑する病院の待合室。診断の効率化は早急に必要です。携帯型心電計に続き、患者の負担なく24時間体調を計測する機器の普及が待たれます。

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