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日本電産のモーター、次は空へ!ドローン専用を開発

17年までに量産、売上高数百億円を目指す
日本電産のモーター、次は空へ!ドローン専用を開発

CESで行った業務用ドローン向けモーターのデモ

 日本電産は業務用飛行ロボット(ドローン)に搭載するモーター事業に参入する。ドローンのプロペラを駆動する専用モーターを開発し、2017年までに量産を始める。企業が荷物運搬などにドローンを活用したサービスを検討するなど業務用市場が拡大しつつある。業務用に適した安全性や信頼性の高さを訴求し需要を取り込む。3―5年後に数百億円規模の事業にする。

 開発するのはドローンへの搭載に適した小型・高出力モーター。モーター内部には専用センサーを搭載し、モーターの稼働状態を把握する機能をつける。ユーザーがドローンをより安全で効率的に運用できるようにする。

 まず直径60ミリメートルで出力450ワット品と直径80ミリメートル、出力4000ワット品の2タイプを製品化する。モーターを4個使用すると約20キログラム程度の重量物を運搬できる。

 今後、ドローンを使用する事業者などと連携しながらより重い物を運べるタイプのモーターを開発するなどして製品数を増やす。

 ドローンは荷物運搬や社会インフラのモニタリング用途など業務用での利用が広がる見通し。国も電波法の改正を検討するなど利用を後押ししている。日本電産はこうした市場の広がりに着目。業務用モーター事業への参入を決めた。

日本電産シンポはサービスロボ向け減速機を量産


 日本電産グループの日本電産シンポ(京都府長岡京市)はサービスロボット向け減速機「トラクションドライブ」の量産を今春にも始める。減速機の遊星機構に歯のないローラーを使い、回転時の音が静かでなめらかに動くのが特徴。店や病院などで音を気にせず使えるようにした。ロボットメーカーなどに提案する。

 出力は「Aタイプ」が50、100、200ワット、「Bタイプ」が200、400、750ワットの計6種類。一般的な減速機は歯車を使用しており、回転時に歯が接触し金属音が出る。サービスロボットが人に近い場所で利用されることを想定し、ローラーを用いた静音性の高い専用の減速機をそろえた。同社は2015年にロボット向け減速機事業に参入した。
 
日刊工業新聞2016年1月8日/11日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
何かと話題の日本電産。HDDから自動車へ次はドローンへ、そしてルネサス?

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