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耐荷重4倍、ネオジム磁石を活用したマグネット部品のスゴイ性能

耐荷重4倍、ネオジム磁石を活用したマグネット部品のスゴイ性能

シリコンマグネットに吸盤機能を付加

マグエバー(東京都渋谷区、沢渡紀子社長)は、シリコン樹脂で被覆したネオジム磁石に吸盤機能を新たに組み合わせた業務用マグネット部品を開発し、製品化した。同社既存の同磁石に比べ耐荷重は4倍以上。製造現場における工具の整理用途などを想定し、年10万個の販売を目指す。併せて秋田県内に国内初の生産拠点を確保。短納期や迅速な需要対応の体制を整え、今後の製品展開につなげる。

製品化した「マグプラス」は外径45ミリ×厚さ9・3ミリメートル。着磁前にシリコン樹脂と一体成形する際、円柱型マグネットの周囲に帽子の「つば」のような形状で吸盤機能を付けた。磁石、吸盤の相互補完によって4・5キログラムまでの荷重に耐える。

中央のネジ受け部分が樹脂製の製品は消費税抜きの価格が1000円。アルミニウム製は1600円で、4分の1インチのネジ受けパーツに対応。ネジを介して、カメラなどを着脱できる。磁石に工具をくっつけて使ったり、屋外にディスプレーを設置したりする用途を想定している。

製品化に併せて生産拠点として秋田事業所(秋田県能代市)を開設した。現地の工業用ゴム製品メーカーの一部建屋を賃貸し、約500万円を投じて着磁機械などを設置した。マグエバーにとって生産拠点は中国、マレーシアに続く3拠点目。海外製造のリスクを抑えるとともに、短納期で需要に応える。

シリコン樹脂で被覆した同社既存のネオジム磁石は設置面に傷がつきにくい。二つの製品で挟めばガラス、樹脂にも使える。ただ業務用としては一層の耐荷重が課題となっていた。

日刊工業新聞2022年7月12日

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