坑内堀りハードロックでトンネル掘削機を活用した坑道掘削新工法、コマツが生かす新技術
コマツはチリ子会社を通じて、鉱山世界大手のコデルコと、坑内掘りハードロック(鉄鉱石や非鉄金属など)鉱山でトンネル掘削機を活用した坑道掘削新工法の試行を2024年に始めることで合意した。新工法は発破による掘削に比べて岩盤を傷める領域が少ない上、坑壁の凹凸が少ない円形断面の坑道になるため強度的な安定性が高まる。コデルコが所有するチリのチュキカマタ鉱山でトライアルを行い、革新的技術の早期導入を目指す。
コマツは1963年に国内で初めて岩盤用トンネル掘削機を開発。現在までに累計2300台を超えるトンネル掘削機を販売してきた。
今回使用する機械「マイニングTBM=写真」は、トンネル掘削機の技術をベースに、ハードロックの坑道掘削における急曲線対応、後退、交差点掘削を可能とする新技術を搭載した。一般的なトンネル掘削機より自由度が高く、円カーブなど鉱山ごとの形状に合わせた坑道掘削に対応しやすい。温室効果ガスと粒子状物質(PM)の排出量も大幅に削減できる。
日刊工業新聞2022年7月11日