アップルはタブレットで宿敵に屈するのか?「サーフェスプロ」がノートPCの代替へ

ガートナーアナリストが読み解く「デジタルウオッチ!」~中期では折り曲げ型に注視

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大画面iPadは登場するのか?
 2010年にiPad(アイパッド)が登場して以降、しばらく勢いのあったタブレット端末だが、14年の世界出荷台数は前年比で1ケタ台の伸びに落ち込んでいる。14年第3四半期および第4四半期は前年同期比マイナスとなった。15年以降も2ケタ増の成長は望みにくく、微増にとどまると見ている。

 とりわけ新興国などで消費者が一番に購入するのはスマートフォン。スマホでも5―6インチの大画面で低価格の機種が増えタブレット市場を脅かしている。実際、ゲームや動画を楽しむのに、7インチ程度のタブレットでも大型スマホでもそれほど代わり映えしない。メーカー側も、タブレットならではの機能や用途を消費者にうまく訴求できていないというのが実情だ。

 法人ではフィールドワーカーなどを中心に、iPadやアンドロイド・タブレットに一定の需要はあるものの、オフィス用途では必ずしもそうとは限らない。個人的に注目する技術トレンドは、スマホにも関連してくるが、折り曲げ可能なディスプレーなどが挙げられる。ただし、これは中長期的な取り組みになるだろう。短期的には、ディスプレーの高解像度化や生体認証の活用が進むと見込まれる。

 基本ソフト(OS)別の14年のスマホ世界シェアは、アンドロイドが66%、アップルのiOSが3割弱、ウィンドウズは1割未満となっている。ところが、今後の様相は少々異なる。今後5年間でウィンドウズの世界シェアは、10%台―20%台前半にまで伸びるとみている。理由は画面サイズとオフィス用途の広がり。13年から低価格を武器にした8インチ台のウィンドウズ・タブレットが伸びてきているものの、表計算に代表されるオフィス・ソフトの操作には適さない。画面サイズがそのまま生産性に直結する。他方、10インチクラスの「サーフェスプロ」はキーボードも接続でき、ノートパソコン代替の有力な選択肢になっている。

 大画面のiPadが登場したら市場はどう変わるか、という不確定要素もあるが、タブレット市場全体の伸びがそれほど見込めない中、ノートパソコンのリプレースを前提にウィンドウズ・タブレットのシェアは拡大するだろう。
 
 14年には米アップルと米IBMが組み、iPadとiPhone(アイフォーン)で法人向けモバイル市場の開拓に乗り出したが、どこまでツー・イン・ワン(ノート型にもタブレットにもなるパソコン)やパソコンの牙城を切り崩せるかどうか。法人ではウィンドウズ環境のところが多く、使い勝手やセキュリティー面も含めて、当面はウィンドウズが優勢と見ている。

ガートナージャパンリサーチ部門シニアアナリスト・佐藤篤郎氏

日刊工業新聞2015年04月15日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

iPadは明らかに停滞している。その間に、マイクロソフトの「サーフェスプロ」は「ツー・イン・ワン(一台ですべてをこなす)」というキャッチフレーズでPCとタブレットの融合領域に一歩踏み出した。アップルはどうか。今回発表した新型「MacBook」のコンセプトをみると、MSの思想とはやっぱり相容れないようだ。ではiPadはどうなるのか。このままいくとアイフォーンのバリエーションとして吸収される可能性が高い気がする。

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