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「ARPU高めないと成長ない」…ドコモはコンテンツ力強化で収益改善できるか

NTTドコモは2019年以降に投入した料金プランの契約数のうち、中・大容量帯のプランを現状の3割強から2025年度をめどに5割へ引き上げる。現在は月間データ量7ギガバイト(ギガは10億)以下の小容量帯の料金プランの契約数が最も多い。映像配信やゲームなどのコンテンツ力を高め、顧客のデータ需要を拡大。中・大容量帯の料金プランへの移行を促す。通信料金の引き下げ影響が続く中、ARPU(利用者1人当たりの平均収入)を底上げして収益改善を図る。

ドコモの料金プランは「ギガホ」が大容量帯向け、「アハモ」が中容量帯向け、「ギガライト」が小容量帯向けという位置付け。21年度のアハモの契約数は約300万、ギガホ、ギガライト、子ども向け携帯電話向けの「キッズケータイプラン」、通話利用が中心の人向けの「ケータイプラン」などの合計が約3400万。

中・大容量帯の料金プランの契約増に向けコンテンツ力を高める。例えば動画配信サービス「dTV」の独自コンテンツを拡大。スポーツ動画配信サービス「ダ・ゾーン」や米ディズニーの動画配信サービス「ディズニープラス」の連携などドコモユーザーしか見ることができないコンテンツ強化を想定する。

複数の動画サービスを契約する消費者は多い。NTTドコモは「特徴のあるサービスを出せればARPUは上がる」(井伊基之社長)とみる。近年、政府による通信料金の引き下げ影響が主力の個人向け通信事業の収益を圧迫している。「契約数を増やすことも大事だが、ARPUを高めないと事業の成長はない」(同)という。

日刊工業新聞2022年6月3日

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