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「テクニクス」を日本・欧州車メーカーに売り込みます!

パナソニック、高級オーディオ復活へ着々
「テクニクス」を日本・欧州車メーカーに売り込みます!

昨年のベルリン「IFA」で。中央はテクニクス担当の小川役員

 【ラスベガス(米国)=錦織承平】パナソニックは欧州や日本の自動車メーカー数社に、高級オーディオブランド「テクニクス」で車載オーディオシステムの提案を始めた。自動車向け事業を手がける社内分社のAIS社などと連携し、車メーカーと仕様をすり合わせる。提案先は明らかにしていないが、互いにブランドイメージを生かせる高級車種への採用を狙う。

 テクニクス製品は2010年に生産を終了したが、14年に高級オーディオブランドとして復活。現在は500万円台から数十万円台の室内用オーディオ機器を展開している。顧客の要望が強いターンテーブル(レコードプレーヤー)も16年夏に発売する計画。製品ラインアップを徐々に増やしている。

 かつてはトヨタ自動車や独メルセデス・ベンツなどに車載システムが採用されていた実績もある。世界的に知名度の高いブランドでもあり、復活後、複数の車メーカーが関心を示していた。

 車載オーディオシステムは車種ごとのカスタマイズが必要で、採用されても搭載車が市場投入されるまで数年かかる。提案を始めた段階で、今後、車メーカーの要望に応じた再提案や仕様のすり合わせなどが必要になる。

 テクニクスでは18年度に高級オーディオの世界市場の約1割に当たる売上高100億円を目指し、高級路線を維持しながら顧客層の拡大方法を模索中。子会社のパナホームとも共同で住宅ショールームに設置し顧客の反応をみるなど、自動車以外の分野に展開する可能性を探っている。

ターンテーブル復活!今年、欧州から展開


日刊工業新聞2015年9月3日付


 パナソニックは、アナログターンテーブル(レコードプレーヤー)の試作機を開発し、2016年度内に高級オーディオ「テクニクス」のブランドで製品化する。テクニクスのターンテーブルは10年に生産を終えたが、今も復活を求める声が多い。滑らかで安定した回転ができる新型モーターを搭載して、欧州から展開する。

 ブルーレイディスクレコーダーなどで培った回転制御技術などを応用し、ダイレクトドライブ方式モーターを刷新。回転中の微少振動や不要な振動を抑え、高精度に回転位置を検出し最適制御する。価格などは今後詰める。

 「名機」と評されるテクニクスのターンテーブル「SL―1200シリーズ」の累計販売台数は約350万台。14年に高級オーディオシステムを擁しテクニクスブランドを復活させた際、顧客からターンテーブルを求める声が多数寄せられた。

 
日刊工業新聞2016年1月11日自動車面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
米国発のニュースで日本と欧州メーカーに提案っていうのは逆に面白いが、アメ車にはニーズがないということか。

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