今日は「成人の日」 はとバスのガイドさんは一足早く成人式
2015年に新たに20歳に達したのは121万人。再び減少へ
観光バスを運行する「はとバス」本社(東京都大田区)で8日、一足早くバスガイドの成人式(写真)が行われた。11日の成人の日は業務が忙しいため、同社は前倒しで祝っている。今年で55回目。あでやかな振り袖姿の新成人バスガイド22人は、先輩ガイドの案内で本社から明治神宮へ参拝に向かった。同社でバスガイドをする姉に憧れて入社した東山生来さん(20)は「周りの人のことを大事に考え、強く明るい大人になりたい」と抱負を述べた。
きょうは成人の日。1月1日時点で満20歳を迎えた新成人は、121万人。前年比5万人の減少だが、1995年以降はおおむね毎年減少が続いてきた。ちょうど今年の新成人が生まれたころから、若者はずっと減り続けてきたとも言える。
総務省が人口推計を取り始めた68年以降、新成人が最も多かったのは、70年の246万人。第1次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代が成人となったころ。次のピークは、第2次ベビーブーム、団塊ジュニアが成人を迎えたころの94年の207万人。現在の減少傾向は、この翌年から続くものだ。
日本の人口を10歳ごとの年齢構成で見ると、新成人はおおむね10―19歳(約1160万人)か、20―29歳(約1280万人)の年代に入る。0―9歳(約1050万人)まで、数が少なくなっている年代となる。安倍政権が「希望出生率1・8」「一億総活躍社会」を掲げて政策を打つゆえんだ。15年度補正予算に続き、16年度予算でも希望出生率1・8に関する政策に国費で前年度比約18%増の約1兆4700億円をかける。
新成人の減少は、医療や介護、年金財政の世代間バランスを決定的に崩してしまう。何より労働力や消費の主役が少なくなるために、経済成長に制約がかかる。一定の人口規模の維持は不可欠だ。
だが、もう20年にわたり新成人が減り続けている。日本人一人ひとりが付加価値を生み出せる力や方法を身につけ、政府も多くの人がそれを実現できる環境を整えていくしかないのではないか。
(文=米今真一郎)
少子高齢化が進み、企業活動の担い手となる優秀な人材の獲得は次第に難しくなっている。若手人材の育成、定着は、企業の生命線である技能、ノウハウの継承に欠かせない。こうした中、将来を期待され、中堅・中小企業の最前線で輝き始めた新成人の姿を紹介する。
「未来の技術にやりがい」
「いつか有機溶剤を使わない接着ラインのリーダーに」。富士特殊紙業(愛知県瀬戸市)は食品などの包装材が主力。松本吉政さんは印刷後に機能性フィルムを貼り合わせる接着工程に勤める。
同社は人や環境に配慮し、インクの水性化率が8割と高い。接着剤も一部で水性化を始めたが、コストや加工速度に課題が残る。松本さんは通常業務に加え、上司の指示のもと水性接着剤の利用技術開発にも参加する。
菓子が好きで包装材に興味を持った。入社後の研修で水性接着剤の存在を知り、今の職場を希望した。「世界的にもこれからの技術。やりがいがある」と言う。
貼り合わせるフィルムは多彩で、接着剤の配合も違う。松本さんは接着剤の準備を任されるまでになった。指示をコツコツとやり遂げ、ミスをしないとの上司評。「早く工程全体を任されるようになり、工場全体の無溶剤化に裏方として貢献したい」と未来を描く。
(文=村国哲也)
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一定の人口規模の維持不可欠
きょうは成人の日。1月1日時点で満20歳を迎えた新成人は、121万人。前年比5万人の減少だが、1995年以降はおおむね毎年減少が続いてきた。ちょうど今年の新成人が生まれたころから、若者はずっと減り続けてきたとも言える。
総務省が人口推計を取り始めた68年以降、新成人が最も多かったのは、70年の246万人。第1次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代が成人となったころ。次のピークは、第2次ベビーブーム、団塊ジュニアが成人を迎えたころの94年の207万人。現在の減少傾向は、この翌年から続くものだ。
日本の人口を10歳ごとの年齢構成で見ると、新成人はおおむね10―19歳(約1160万人)か、20―29歳(約1280万人)の年代に入る。0―9歳(約1050万人)まで、数が少なくなっている年代となる。安倍政権が「希望出生率1・8」「一億総活躍社会」を掲げて政策を打つゆえんだ。15年度補正予算に続き、16年度予算でも希望出生率1・8に関する政策に国費で前年度比約18%増の約1兆4700億円をかける。
新成人の減少は、医療や介護、年金財政の世代間バランスを決定的に崩してしまう。何より労働力や消費の主役が少なくなるために、経済成長に制約がかかる。一定の人口規模の維持は不可欠だ。
だが、もう20年にわたり新成人が減り続けている。日本人一人ひとりが付加価値を生み出せる力や方法を身につけ、政府も多くの人がそれを実現できる環境を整えていくしかないのではないか。
(文=米今真一郎)
活躍する「新成人」最前線で輝き放つー富士特殊紙業・松本吉政さん
少子高齢化が進み、企業活動の担い手となる優秀な人材の獲得は次第に難しくなっている。若手人材の育成、定着は、企業の生命線である技能、ノウハウの継承に欠かせない。こうした中、将来を期待され、中堅・中小企業の最前線で輝き始めた新成人の姿を紹介する。
「未来の技術にやりがい」
「いつか有機溶剤を使わない接着ラインのリーダーに」。富士特殊紙業(愛知県瀬戸市)は食品などの包装材が主力。松本吉政さんは印刷後に機能性フィルムを貼り合わせる接着工程に勤める。
同社は人や環境に配慮し、インクの水性化率が8割と高い。接着剤も一部で水性化を始めたが、コストや加工速度に課題が残る。松本さんは通常業務に加え、上司の指示のもと水性接着剤の利用技術開発にも参加する。
菓子が好きで包装材に興味を持った。入社後の研修で水性接着剤の存在を知り、今の職場を希望した。「世界的にもこれからの技術。やりがいがある」と言う。
貼り合わせるフィルムは多彩で、接着剤の配合も違う。松本さんは接着剤の準備を任されるまでになった。指示をコツコツとやり遂げ、ミスをしないとの上司評。「早く工程全体を任されるようになり、工場全体の無溶剤化に裏方として貢献したい」と未来を描く。
(文=村国哲也)
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日刊工業新聞2016年1月11日「活躍する新成人」