CESでのVW展示にアップルが横やり? ワイヤレスCarPlayのデモ断念

不正イメージ懸念? 3月のイベントやWWDCでVW以外と共同発表か

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iPhoneと接続したCarPlayの画面
 米ラスベガスで開催中の「CES」で、独フォルクスワーゲン(VW)のクルマのデモ展示を巡り、ちょっとしたハプニングがあったようだ。

 焦点となったのは、iPhoneを車に接続して利用する「カープレイ(CarPlay)」。iPhoneの機能をダッシュボードのテレマティクス(インフォテインメント)装置の画面に表示させ、電話や音声アシスタントのSiri(シリ)、地図、ショートメッセージサービス(SMS)などのアプリを使えるようにするサービスで、多くの自動車メーカーやインフォテインメント装置メーカーが続々と採用を表明している。

 ところが、VWが今回、iPhoneをWi-Fi経由でワイヤレス接続してCarPlayの機能をデモしようとしたところ、アップルから横やりが入り、デモを断念することになったのだという。自動車専門誌のCar and Driverが伝えた。

 そもそもCarPlayのワイヤレス接続はアップルのモバイル向け最新OS「iOS9」に導入された新しい機能だが、まだどの自動車メーカーもワイヤレスでの互換性とサービス提供を表明していない。そのため、現在のインフォテインメントシステムでCarPlayを使う場合は、ライトニングケーブルを使ってクルマのUSBポートにiPhoneをつなぐ必要がある。

 Car and Driverに対し、VW電気電子開発部門トップのヴォルクマール・タネンベルガー氏は、「我々はワイヤレスのCarPlayをCESでデモしたかったが、その持ち主(アップル)が許可しなかった」と述べている。だが、なぜアップルが拒否したのかという理由については明らかにしていない。

 同誌はその理由についても推測し、アップルが6月のWWDC(世界開発者会議)や秋の自社イベントでのキーノートスピーチで、提携する別の自動車メーカーと発表することになっているからではないか、としている。

 一方、この報道を受けて、アップル専門ニュースサイトのアップルインサイダーは、アップルが許可しなかった理由について、3つの可能性を挙げている。

 まず、技術自体がアップルの基準に合致していないため。2番目は、4インチiPhoneの発表が噂される3月開催のイベントでワイヤレスCarPlayのデモが予定されているため。さらに、3つめの可能性として、米国市場向けのディーゼル車で排ガス測定の不正を働いたVWと単に距離を置きたいからではないか、としている。

 こうしたことから、VWはワイヤレスCarPlayの代わりに、オープンソースの「ミラーリンク(MirrorLink)」を使ったデモをCESで実施。スマートフォンとクルマのインフォテインメント画面をワイヤレス接続し、スマホ画面をそのままクルマの画面に表示して操作できる機能を見せている。このミラーリンクはiPhone非対応だ。

 ただ、こうしたワイヤレス接続はスマホの電池が消耗するため、VWではスマホのワイヤレス充電も組み合わせた形での技術開発を考えているという。また、この分野でもアップルと競合するグーグルは、インフォテインメント用の「アンドロイド・オート(Android Auto)」について、ワイヤレス接続のプロトコルをまだ発表していない。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

「iPhoneが世界を変えた」という言い回しがありますが、「iPhoneで世界を支配した」というのが実情に近いと思う。どうやら、自動車業界まで、アップルマジックとやらで支配下に置きたいようですね。

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