細胞培養スタートアップ、セルファイバが資金調達。実用化の展望を聞く

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東京大学発スタートアップのセルファイバ(東京都文京区)は、ベンチャーキャピタル(VC)のリアルテックホールディングス(同墨田区)が運営するリアルテックファンドと大和企業投資(同千代田区)から約4億円の資金調達を実施した。

同社はゲルチューブの中で細胞を培養する「細胞ファイバ」技術の研究開発を手がける。従来よりも安価に細胞を培養することで、再生医療などの価格低減を目指す。今回の調達した資金は、医薬品製造品質管理基準(GMP)を満たす製造装置の開発や性能検証に使う。実用化に向けたポイントや展望を柳沢佑社長に聞いた。

細胞ファイバ:ゲルチューブの中で細胞を培養する技術。チューブ内で、培養することでかくはんのダメージから細胞を守ったり、栄養を均一に行きわたらせることができる。これにより一定の大きさや品質を担保できる。

-装置の開発状況について教えて下さい

5月にプロトタイプをイギリスの展示会へ出展する。6月からは社内で製造工程や安全性についての検証を行う。顧客の拠点での検証は9月ごろから行う予定だ。我々が想定する性能や製造工程などを検証する。性能としては、これまでよりも10倍から100倍の細胞数を培養できることや培地の使用量を減らすことを想定している。2023年には装置を一般に販売する計画だ。

装置のイメージ

-実用化のスケジュールは

24年に国内の製薬メーカーと組んで、再生医薬の臨床を米国で行いたいと考えている。これまでは装置を製薬メーカーに提供することで安定的にマネタイズしようと考えていた。ただ我々の新しい培養方法は、製造の安定性を重視する製薬メーカーは導入しづらい。そこで初めから細胞ファイバを使う前提で薬の承認を目指す方向性に切り替えた。普及には価格を落とすメリットだけでなく、薬を作れるという実績もセットで打ち出していく必要を感じたからだ。米国での臨床は実績作りの側面がある。その成果を持って、より大手の製薬企業との契約に結びつけたい。

また、細胞ファイバで作った細胞の安全性の検証も必要だ。細胞ファイバは培養の過程でアルギン酸を使う。薬を製造する際、細胞のアルギン酸は取り除くが、全てを取り除くことは難しい。この部分を規制当局がどう判断するかが重要だ。臨床を予定する米国や日本、欧州への展開を見据えた際どういった手段が適切か見極めたい。

-今後の展望について

現在、欧州などの製薬企業からの問い合わせが多い。場所は決めていないが、海外拠点を作る。また、現在は再生医療向けの細胞を想定しているが、ベクターなど用途を広げることも検討している。

ニュースイッチオリジナル

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セルファイバ

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