「航続距離が短い」「充電インフラ不足」…ホンダ・ヤマハ発は電動バイクの課題を解決できるか

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ヤマハ発動機が7月に発売する電動バイク「E01」。日本や欧州、東南アジア、台湾へ展開する

電動バイク普及の機運が高まりつつある。ホンダなど国内2輪車メーカー大手4社はENEOSホールディングスと組み、車載電池のシェアリングサービスを手がける共同出資会社「ガチャコ」を4月に設立した。ヤマハ発動機は実証実験用モデルの電動バイクを7月に国内外で投入する。「航続距離が短い」「充電インフラが不足している」といった電動バイクの課題解決に向け、協業などの取り組みが加速している。(江上佑美子)

「日本では二酸化炭素(CO2)排出量を減らしたいという企業からのニーズがあり、ビジネス向けの電動バイクは広がるだろう。アジアでもそのようにしていきたい」。ホンダで電動化戦略を担当する青山真二執行役専務はこう期待する。

実際、ビジネス用途での展開は拡大している。3月に開かれた東京モーターサイクルショーでは、ホンダが2021年に発売した「ジャイロe」などの配送向け電動バイクを出展したほか、警視庁が独BMWモトラッド製の「EV白バイ」を披露。ベンチャー企業の意欲も高く、aidea(東京都港区)は配送向けバイクをアピールした。

ヤマハ発動機は原付き2種クラスの電動バイク「E01」を7月から日本や欧州、東南アジアなどで順次発売、インフラやシェアリングサービスの構築に生かす。事業所や自治体からの需要を見込み、日本では100台をリースで提供する。

課題は個人向けだ。日本自動車工業会(自工会)が4月に発表した21年度の2輪車市場動向調査によると、電動バイクの認知度は72%と高かった。一方で62%が「購入を検討したいとは思わない」もしくは「あまり購入を検討したいとは思わない」と回答した。

ネックとなるのが走行距離と価格だ。購入に当たっての懸念として、全体の61%が「1回の充電での走行距離が短い」、56%が「車両価格が高い」、52%が「電池の耐用年数を考えると維持費面で不安」、49%が「充電施設の場所や数が心配」という点を挙げた。

こうした課題に対応するため、国内バイクメーカー大手4社は交換式電池の標準化に取り組んでいる。4月に設立したガチャコのサービスには、ホンダがビジネスバイクに搭載している電池を使う。

一方で車両自体の開発は競争領域に位置付け「各社が切磋琢磨(せっさたくま)し、魅力的な商品を出したい」(ホンダの柳川淳パワープロダクツ事業統括部戦略企画部長)とする。脱炭素社会の実現に向け、電動バイク普及の動きは今後、加速しそうだ。

日刊工業新聞2022年5月10日

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