パナソニック・ソニー両社長がCESの会場で語ったこと

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左はパナソニックの津賀社長、右上はソニーの平井社長、右下はCESのパナソニックブース
**パナソニック・津賀一宏社長「テレビはソニーをお手本に」
 ―今年のCESの感想はいかがですか。
 「車メーカーの出展が増えて充実し、各社の意欲を感じる。車載関係の出展が増えれば、商談の場になるのでありがたい」

 ―テレビ事業を黒字転換する手応えは。
 「黒字の見通しだが競合の仕掛けにもよるので微妙なのがテレビだ。ソニーは一つひとつの機種の商品力を磨き、機種数を抑えて勝負している。ブランドイメージの違いもあり、同じようにできるか分からないが、お手本にさせてほしい」

 ―米デンバー市でスマートシティー(次世代環境都市)の開発案件を獲得しました。
 「スマートシティーへの要望の多さは実感している。今回の事例を横展開したいが、組織の能力に応じて地道に取り組む。エネルギーやセキュリティーなど優先する事業を明確にすることも必要だ」

 ―北米の売上高の約9割がBツーB事業です。18年度に向けてどう成長させますか。
 「航空機関連、デバイス、二次電池など消費者向け以外は間違いなく増え、消費者向け事業の割合がさらに低下する。逆に消費者向け事業はどこに集中するのか鮮明にすることが課題だ。北米の売上高は年率2ケタ程度の成長はしなければならない」

ソニー・平井一夫社長兼CEO「コンシューマー製品でイノベーション起こす」


 ―今回はBツーC(対消費者)を意識した出展内容になっています。
 「ソニーが一般消費者向け製品で顧客を感動させるというメッセージを明確に発信したかった。今回展示したテレビも進化していることがはっきりわかってもらえたと思う。業界全体でBツーBへのシフトが進んでいるが、我々は消費者向け製品の分野でもイノベーションを起こしていく」

 ―IoT市場をどう攻めますか。
 「IoTは大きなビジネスの可能性がある。誰もが驚くような製品を生み出せるのか、各事業部にどういう商品展開が可能か検討してもらっている。またIoTに欠かせないセンサーを供給できる強みを生かしたビジネスモデルを構築したい」 

 ―スマホ事業の構造改革の進捗(しんちょく)は。
 「当初計画通り、15年度中に一定の区切りをつける。よりソニーらしさをアピールできる製品を作り続けることが重要だ」

 ―16年度のスマホ向けイメージセンサーの需要動向は。
 「スマホの販売台数成長が鈍化していることもあり、現時点でまだはっきりとは断言できない段階だが、需要動向はやや慎重にみている」

日刊工業新聞社2016年1月8日「深層断面」から抜粋

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

 CESの主催者であるCEA(コンシューマー・エレクトロニクス協会)は昨年、名称をCTA(コンシューマー・テクノロジー協会)に改めた。自動車やBツーB製品・技術の出展が増え、IoTなどの技術が急激に進化しているため、それを象徴する言葉として”テクノロジー“にしたという。展示会の名称はCESのままだが、消費者向け家電製品の祭典という意味を持つ「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」を使わないようメディアに呼びかけた。  そんな中でソニーのCESといえば、ハワード・ストリンガーCEO時代にはエンタメ系のショーがあったり、最近は半導体の投資が活発だったりしているが、あくまで「コンシューマー製品の企業」ということを訴求したのだろう。逆にパナソニックの津賀社長は一貫してBツーBへの意欲を見せている対比が面白い。

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