夏の電力需給逼迫備え…東京都が「HTT」呼びかけ
電力逼迫(ひっぱく)が懸念される夏場を控え、東京都がクールビズの考え方に、省エネ・再生可能エネルギー機器の導入も加えた新たなキャンペーンを展開している。その名も「HTT」。電力を「減らす(H)」「創る(T)」「蓄める(T)」の三つの切り口で家庭や企業の対策を促すもので、節電や省エネ性能に優れた機器への買い替えのほか、電気自動車(EV)や太陽光発電設備、蓄電池の導入促進に力点を置いている。
その第一弾となるイベントが4月29日、東京・新宿の都庁舎で開催された。小池百合子知事はタレントのフワちゃんとの対談で、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギーの安定調達が危機に瀕している実情や「せっかく創った電力が使われないのはもったいない」と蓄電の意義を強調した。その上で、「HTTを合言葉に、東京の電力も暮らしを守っていく。皆さんも自分自身が当事者として取り組んでほしい」と呼びかけた。
当日は、エアコンを28度Cに設定しても快適に過ごせる夏のオフィスでの装いを提案するファッションショーも開催。都職員自身がモデルとなり、フォーマル、カジュアル、テレワークといった場面や世代ごとの最新ファッションを披露した。
小池知事は環境相時代、夏の軽装「クールビズ」を提唱したことで知られるが、国際情勢の緊迫化に伴いエネルギーの安定調達、効率的な利用が喫緊の課題となる中、対策の重要性をあらためて訴えた。都では今後、一定の新築建築物について、国の基準を上回る省エネ性能を求めることや太陽光発電や電気自動車(EV)の充電設備の設置義務化も検討する。