自動車業界が家電展示会で今後を占う新技術発表。フォードとグーグルの提携は?

6日に米ラスベガスで「CES」開幕

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独ボッシュが世界初公開するコンセプト車。多様な情報を表示するディスプレーで運転者をサポートする
 6日に米ラスベガスで開幕する展示会「CES」は単なる家電見本市ではなく、今や自動車業界の新技術を発信する一大イベントとなっている。2015年は独メルセデス・ベンツがコンセプト車「F015ラグジュアリー・イン・モーション」を世界初公開し、自動運転車のイメージを具体化させた。今年は自動車の展示がさらに増加する予定で、世界を驚かせる発表が期待されている。

電動化へ試金石


 開幕前夜5日(米国時間)の基調講演では、独フォルクスワーゲン(VW)乗用車ブランドのヘルベルト・ディース会長が新しい電気自動車(EV)コンセプトを発表する。排ガス不正に揺れる同社にとって電動化シフトの試金石となりそうだ。米ゼネラルモーターズのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)も6日に基調講演を行う。

 トヨタ自動車は1月に設立する新会社のギル・プラットCEOが5日のプレスカンファレンスに早速登場し、人工知能研究について新規情報を語る。トヨタは自動運転用地図の自動作成技術もCESで公開する。「昨年の燃料電池車(FCV)の反響も大きく、取り組みを訴求する場として重視する」(トヨタ)と話す。

 複数の米メディアが15年12月に報じた米グーグルと米フォード・モーターの自動運転車での提携交渉についても、CESでコメントされるか注目される。

部品大手も活発


 部品大手も活発だ。デンソーや独ボッシュ、米TRWを買収した独ZF、米デルファイ、マグナ(カナダ)、現代モービス(韓国)、仏ヴァレオなどが出展する。主催者によると16年の自動車関連の展示スペースは昨年より25%拡大するという。

 ボッシュはデモ車両のディスプレーに多様な情報を表示し、将来のユーザーインターフェースを提案する。独コンチネンタルは運行予測技術「ダイナミックeホライズン」を公道で実演する。同技術はクラウド上から取得した事故や交通情報と地図情報を使い、安全性や燃費を改善する運転を促す。

日本勢の出遅れ?


 自動車業界の技術発表が目立つ中で、日本勢はやや出遅れた感が否めない。完成車では自動運転に注力する欧米や韓国勢が軒並み出展するのに対し、日本はトヨタだけ。部品もデンソーのほかはカーナビ関係と電機メーカーだ。業界の1年を占う上でも、ITや電機業界との接点を探る上でも重要な機会を、日本勢が今後どう活用するか注目される。

 15年を振り返ると、CESで話題となったテーマが一年を通じて自動車業界をにぎわせた。メルセデスのF015はシート4席を向き合って設置し、運転から解放されて搭乗者が楽しく過ごすことに踏み込んで自動運転を提案した。独アウディは自動運転で米エヌビディアとの協業、トヨタ自動車はFCV関連特許の無償開放を発表した。16年も自動車各社がCESでトレンドを示すことになりそうだ。
(文=梶原洵子)

日刊工業新聞2016年1月5日 自動車

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明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

デトロイトモーターショーが直後にあるのに西海岸に近いCESが注目されるのが今の自動車業界のトレンドを象徴している。日刊工業新聞でも現地から記者がレポートします。

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