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大林組が開発、建物デザインを瞬時に複数生成するスゴイAI技術

大林組が開発、建物デザインを瞬時に複数生成するスゴイAI技術

アイコルブでスケッチなどから自動生成されたファサードデザインを、Hypar上で3Dモデルにできる

大林組は米国の非営利独立研究機関、SRIインターナショナルと共同で建物形状のスケッチや3次元(3D)モデルから複数のファサード(建物正面)デザインを自動生成する人工知能(AI)技術を開発した。設計用プラットフォーム(基盤)「Hypar」との連携で、ボリュームデザインからファサードデザインまでの一連の作業を行える。その場で顧客の要望を具体化し合意形成できるため、初期の建築設計作業を効率化できる。

新技術の「AiCorb(アイコルブ)」は、スケッチや3Dモデルから複数のファサードデザイン案を瞬時に提案するAIと、提案されたデザイン案をHypar上で3Dモデル化する二つのAI技術を搭載する。

アイコルブではさまざまなデザインを学習したAIを活用し、建物のアウトラインをスケッチしたデータなどを読み込ませるだけで、データ別に異なるファサードデザインを瞬時に複数生成する。

また、Hyparと連携することで生成したファサードデザインから必要な各種パラメーターを推定し、3Dモデルを作製する。さらにスケッチから生成したデザイン案の入力により、迅速にファサードデザインとボリュームデザインを兼ね備えた3Dモデルを顧客に提示できる。

今後、AI設計効率化手法を改良して実用化を進めながら、設計者が広く利用できるよう公開する予定。

日刊工業新聞2022年3月24日

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