トヨタが「意志ある踊り場」に立てた世界生産計画の中身
4月は単月過去最高水準を維持
トヨタ自動車は、4月の世界生産計画が75万台程度になるとの見通しを発表した。当初計画の90万台から17%減となるが、単月としては過去最高水準を維持する。半導体不足の影響を織り込んだ。また5月、6月の世界生産台数についても、当初計画からそれぞれ10%、5%減らす。4―6月の世界生産台数は平均で月80万台程度、計240万台程度を見込む。
75万台の内訳は国内25万台、海外50万台。国内では堤工場(愛知県豊田市)や田原工場(同田原市)など5工場7ラインで、4月1―23日に最大9日間稼働を停止する。
堅調な新車販売を受け挽回生産を織り込んだ高い生産計画を立てていたが、半導体不足やコロナ禍で急な減産や稼働停止が発生。人件費や在庫増といった仕入れ先の負担が増えていた。これを受け、豊田章男社長が労使交渉で4―6月を「意志ある踊り場」とし、生産計画を見直す方針を示していた。
このほど月初に当面のリスクを織り込んだ3カ月分の暫定計画を提示するなど、仕入れ先への生産計画内示の方法を変更。17日、オンラインで取材に応じた熊倉和生調達本部長は「仕入れ先が少しでも早く準備できるようにしたい」と話した。
日刊工業新聞2022年3月17日