ニュースイッチ

ゲイに寛容なタイでは女性が相手探しに困る?

一人っ子政策で男性があふれる中国とマッチングできないか
ゲイに寛容なタイでは女性が相手探しに困る?

ニューハーフショーは今やタイの名物(タイ政府観光庁のウェブサイトから)

 タイ出張時に聞いた話。最近、人気のドラマは1人の好青年を2人の女性が奪い合うものという。現実を反映していて面白いそうだ

 タイでは結婚適齢期の男女のうち、女性の方が伴侶探しに困るとされる。敬虔(けいけん)な仏教国なので、男性は一生に一度は仏門に入る。夏休みを利用した短期の時もあるが、人によっては生涯に渡る。正式な僧侶になると妻子を持てない

 加えてゲイに寛容な社会も一因なのだとか。女装した男性によるあでやかなディナーショーは今や観光名物。彼らが出場する美人コンテストは海外にも知られている。それに比べて女性の同性愛者は少ない

 ところ変わって中国。一人っ子政策が30年以上も続き、男子の世継ぎを望む親が非合法な”命の選別“をした。結果として男性人口は女性より約3000万人も多く、若者が困っている。清末の「太平天国の乱」では独身男性が女性暴行に及んだ。富士通総研主席研究員の柯隆さんは「いびつな男女比は将来、社会不安につながる」と指摘する

 両国の若い男女が置かれた状況は、まさに対照的だ。”需給ギャップ“に着目し、国境を越えた婚活ビジネスはどうだろう。ちょっとそんなことを考えた。
(2015年12月24日 産業春秋を改編)
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 実際にビジネスプランを練っている人もいるかもしれません。

編集部のおすすめ