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すごくオトクな「直圧給水」って知ってる?

地域限定、ビルの上までポンプ無しでも水道が届く
すごくオトクな「直圧給水」って知ってる?

給水方式にもいろいろあるが・・・(東京都水道局ウェブサイトから)

 自宅のある都内のビルの水道を、ポンプを使わない直圧式に切り替えた。不安もあったが結果的に9階まで水が届き、進んだインフラの恩恵にあずかった

 3階以上の建物でも水道管からそのまま給水する「直結給水方式」が全国に広がっている。階数が増えると増圧ポンプで不足した水圧を補う必要がある。その中で特に水圧の高い一部地域には、特例的にポンプ設置を留保する「直結直圧給水」が認められる

 インフラの整った東京や横浜、川崎などでは中高層ビルの直圧給水が可能だが、大半は5―6階程度。9階まで直圧というケースはまれで、同じ自治体の中でもかなり恵まれた環境なのだとか。「知ってはいたけど施工したのは初めて」と工事業者

 直結給水は受水槽を使わないから清掃不要というのがメリットだ。さらに直圧ならポンプも不要になり、点検・修理や電気代のコストもうく。あまり意識することのない水道圧で維持費に大きな差がつくと分かると、直圧式を導入できない地域の住民に申し訳ない気さえする

 間もなく正月。元旦には例年より冷たくて新鮮な若水がくめるだろう。ただ今後、直圧給水が増えると増圧ポンプや受水槽のメーカーは困るかなと、少し心配になる。
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日刊工業新聞2015年12月23日付 産業春秋)
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 マンションの管理組合などの経験があれば、中高層ビルのライフラインに意外に管理コストがかかることをご承知と思います。節約方法として「直圧給水」への転換が進んでいます。中でも劇的なコスト低減になるのが「特例直結給水」とも呼ばれる「直圧給水」方式。なにしろ自前のポンプが全く必要ないので、初期コスト・維持コストを合計すれば数百万円も安くなるケースがあります。まだ施工例が少なく、業者も知識豊富とは言えないようです。

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