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「ベンツ」「アウディ」「フォルクスワーゲン」も…輸入車で相次ぐ値上げの要因

外国メーカーの輸入車の値上げが相次いでいる。足元では、メルセデス・ベンツ日本(東京都品川区)やフォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、愛知県豊橋市)が価格改定を発表した。原材料費や輸送費が高騰しているためだ。外国メーカー車はコロナ禍の2021年、日本国内で販売シェアを伸ばしたが、今後、値上げが冷や水を浴びせる可能性がある。

メルセデス・ベンツ日本は「C180スポーツ」の2モデルの価格を従来比で8万円(消費税込み)引き上げた。VGJは傘下のブランド「フォルクスワーゲン」「アウディ」で4月に価格改定を予定する。フォルクスワーゲンは11モデルで平均約2%の値上げ。アウディは、91モデルで8万―65万円(同)増となる。また、ルノー・ジャポン(横浜市西区)も、4月に「ルーテシア」の価格を10万―13万円(同)値上げする予定だ。

2021年夏以降、外国メーカー車の値上げが目立つ。これまでに、ビー・エム・ダブリュー(東京都港区)やFCAジャパン(同)、グループPSAジャパン(同目黒区)も価格を見直した。

車両値上げの理由については「原材料費の高騰」(ベンツ日本)、「原材料費および輸送費などを始めとした製造原価の上昇」(グループPSAジャパン)といった要因が挙がる。

国内の新規登録台数における外国メーカー車のシェアは、21年に過去最高の9・3%を記録した。超高級車から、オシャレさなどで独自性を打ち出した大衆車まで製品群を広げ、国内需要への対応力を高めてきた。

日本自動車輸入組合(JAIA)のクリスチャン・ヴィードマン理事長(ビー・エム・ダブリュー社長)は1月末の会見で22年の外国メーカー車の販売について「後半からの回復に期待する」と自信を覗かせた。 

ただ値上げが足かせになる懸念はある。日本の自動車メーカーは、一部改良や全面改良を契機に車両価格の改定を実施するのが一般的でこれまでに値上げは目立っていない。外国メーカー車の価格競争力が落ちれば、500万円未満の中・低価格帯では国内メーカーにシェアを削られる展開もシナリオの一つとして想定される。

日刊工業新聞2022年2月23日

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