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物材機構が整備、熱電変換物質の電子状態データベースの効果

物質・材料研究機構の大久保勇男主幹研究員と森孝雄グループリーダーらは、熱電変換物質の電子状態データベースを構築した。566種類のイオン性遷移金属化合物の電荷移動エネルギーと原子内の電子間クーロン反発エネルギーを計算して俯瞰(ふかん)図を作製すると特定領域に、熱電変換性能の高い物質が集中していた。性能を向上させる物質設計の指針になる。

固体物質の電子状態を計算するイオンモデル法で電荷移動エネルギーなどを計算した。窒素やセレン、塩素など11種類の陰イオンを含むイオン性遷移金属化合物の俯瞰図を作ると、性能が高い物質が特定領域に集まっていた。ここにはナトリウムコバルト酸化物や硫化銅などが含まれる。

既知物質以外にも特定領域に該当する物質は高性能な熱電変換材料になる可能性がある。電池や触媒、磁性材料にも展開していく。

日刊工業新聞2022年2月25日

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