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九一庵食品、「生おから」を微粉末にして高付加価値化

九一庵食品、「生おから」を微粉末にして高付加価値化

微粉末にした生おから

 九一庵食品協業組合(長崎県大村市、徳田信義理事長、0957・52・0900)は、豆腐の製造で生じる「生おから」を加工して商品化する。副産物の高付加価値化による増収と廃棄物処理費用の削減が目的。生おからを乾燥して微粉末にする設備を投資額9000万円で導入した。2015年度内の量産化を目指す。

 生おからは豆腐のもとになる豆乳を絞る過程で発生するが、消費期限が2、3日と短く商品化が難しい。同組合は飼料や原料として養豚業者や微粉末に加工する業者に一部を販売。残りは産業廃棄物として処分していた。

 同組合は生おからが食物繊維を多く含む点に注目して商品化を決めた。乾燥のみでは取り除けない繊維質特有の食感を、微粉末にすることで解消。食品として使いやすくした。用途では小麦粉に混ぜてパンや麺の材料として使用することを想定する。機能性食品の開発や販売に力入れる製粉会社などへの販売を見込む。価格は1キログラム当たり300円程度を計画している。

 九一庵食品協業組合は豆腐や厚揚げ、油揚げの製造販売業者。長崎県内五つの食品会社が95年に統合して発足した。

 徳田理事長は「おからは低カロリーのためダイエット食品としても需要がある」と期待している。
日刊工業新聞2015年12月29日 中小企業・地域経済面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
おからの課題は全国にありそうです。その中で微粉末化する装置を含めて、どのように差別化していくか気になります。

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