肥満は遺伝子のせい!?沖縄科技大がメカニズムを特定
沖縄科学技術大学院大学(OIST)細胞シグナルユニットの高橋明格研究員、山本雅教授は産業技術総合研究所などと共同で、脂肪燃焼に関与するたんぱく質の遺伝子「Ucp1」について、転写後のメッセンジャーRNA(mRNA)が分解されることで発現が抑制されることを解明した。遺伝子「Cnot7」と「Tob」が分解に関与していた。分解を阻害できれば肥満を解消する医薬品開発につながる。
Ucp1はミトコンドリア内膜にある脱共役たんぱく質(UCP)の遺伝子の一つ。脂肪燃焼により熱を生み出す働きがあり、減少すると肥満になる。マウスによる実験では肥満に伴いUcp1が減少し、Cnot7と細胞増殖を抑制するTobは増加していた。
通常、Ucp1はDNAをmRNAに転写し、発現する。しかしCnot7とTobが結合すると、mRNAを分解するため発現しにくくなる。Cnot7を欠落させたマウスは、同カロリーを与えたマウスに比べて約2割脂肪が少なかった。
今後、Cnot7とTobの働きを阻害する化合物の特定により、運動や食事制限ではなく、医薬品による脂肪燃焼が可能になる期待がある。
Ucp1はミトコンドリア内膜にある脱共役たんぱく質(UCP)の遺伝子の一つ。脂肪燃焼により熱を生み出す働きがあり、減少すると肥満になる。マウスによる実験では肥満に伴いUcp1が減少し、Cnot7と細胞増殖を抑制するTobは増加していた。
通常、Ucp1はDNAをmRNAに転写し、発現する。しかしCnot7とTobが結合すると、mRNAを分解するため発現しにくくなる。Cnot7を欠落させたマウスは、同カロリーを与えたマウスに比べて約2割脂肪が少なかった。
今後、Cnot7とTobの働きを阻害する化合物の特定により、運動や食事制限ではなく、医薬品による脂肪燃焼が可能になる期待がある。
日刊工業新聞2015年12月29日 科学技術・大学面