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ファシリテーターが選ぶ「2015年この3本」#12 沖縄から見た“九州”の魅力

ファシリテーターが選ぶ「2015年この3本」#12 沖縄から見た“九州”の魅力

世界遺産に登録された三池炭鉱万田坑(左)、川内原発(右上)、JRおおいたシティ(右下)

 ニュースイッチのカテゴリーで唯一、エリアでくくられた「九州・沖縄」。
ここでは全国的な話題になった2本と、地域の話題1本を選びました。

●九州電、川内原発1号機を再稼働-新規制基準で初
http://newswitch.jp/p/1680

 九州にとって大きなニュースでしたが、日本にとっても重要な節目になりました。

 記事中でニュースイッチ・ファシリテーターの永里善彦氏は「万が一、事故が起こった場合の避難対策を十分に検討して、リスクがあることを承知のうえ、メリットがあると判断して、今回再稼働に踏み込んだわけである」と指摘しています。

 今後、九州では玄海原発の再稼働が控えます。さらに玄海1号機の廃炉が進んでいきます。廃炉になれば地域(自治体)にとって、安全リスクだけでなく税収の問題も出てきます。いずれ脱原発をしていくにしても、原発の立地地域、より広い地域、そして日本という各段階における「リスク」と「メリット」をしっかり認識した上での議論が必要だと改めて感じます。


 ●世界遺産登録へユネスコが勧告!九州・山口「明治日本の産業革命」
http://newswitch.jp/p/469

 九州はじめ該当地域では盛り上がりましたが、エリアが広すぎたせいか、はたまた大河ドラマがコケたせいか、当初期待したほどの全国的な観光インパクトにはつながりませんでした。(「花燃ゆ」は終盤、2014年に登録された群馬に行くという皮肉な結果になりました。)

 “世界遺産=国際的観光地のお墨付き”みたいな見方が一般的になって、陳腐化している気もします。しかし、観光地として盛り上げていくのであれば、せっかく行ったけど「ふーん」で終わらないように、むしろこれから登録の意義や地域にとっての存在価値を訴え、「資源」として磨いていくことが必要だと思います。

 早くも長崎や福岡では、次の登録に向けた自治体や企業の動きが活発化しているようです。

●おんせん県が沸いている!九州東部の「活力の道」が好影響
http://newswitch.jp/p/776

 3本目は沖縄で!とも思いましたが、大分の躍進は外せませんでした。高速道路の延伸や駅ビルの開業に加えて、「おんせん県」とストレートに魅力を打ち出した戦略が奏功しているためでしょう。道路の延伸という点では、2016年は隣県の宮崎が力を入れてくると思われます。もちろん両県とも盛り上がるのが理想ですが、産業全体への波及効果とともにその動きを注目していきます。
ニュースイッチオリジナル
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
 7月の異動に伴い、沖縄から九州を見ることになりました。九州の魅力の大きさを再認識した半面、外に対するアピールの弱さも感じました(沖縄では九州のことがあまり知られていない!)。また沖縄についても、これから発信していくことが盛りだくさんです。2016年も微力ながら、ニュースイッチがその一助になれればと思います。

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