村田製作所・日本電産・京セラ…「電子部品」利益成長に陰り、浮上する経営の重要課題

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電子部品メーカーの利益成長に陰りが出ている。1日までに出そろった電子部品国内大手7社の2021年10―12月期連結営業利益の合計は前年同期比約23%増の約3202億円となり、増益基調に変わりはないが、四半期ベースの伸び率は鈍化している。鉄鋼や非鉄、原油などの原材料相場は10月以降に上げ足を速め、製品出荷は直近のピークに比べ鈍っている。調達の見直しや製品設計の変更などが経営の重要課題に浮上してきた。

村田製作所の21年10―12月の連結営業利益は前年同期比約5%増で、7―9月(約45%)から縮小した。コロナ禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱で生産関連費用や輸送費が増加した。足元の生産は旺盛だが、客先での部品在庫の積み上げは一巡し、受注は「全ての商品群で減少している」(村田恒夫会長)。

日本電産の10―12月期連結業績は売上高が同約15%増えたのに対し、営業利益は同約4%減。永守重信会長は「最大の理由はモーターコアに使う鋼材の値上がり。価格転嫁分と差し引きすると、期初計画に比べ約90億円のマイナス影響が出ている」と説明。「(約90億円分の)価格転嫁には3カ月から4カ月半程度かかる」とした。

TDKはハイエンドのスマートフォン向けのセンサーや電池の販売が好調で、10―12月の営業利益が過去最高を更新したが、原料高の転嫁にも追われた。山西哲司専務執行役員は「電池材料のコバルト相場が10―12月は7―9月比で約20%上がり、足元でも上昇が続いている」とした上で「即時転嫁を進めているが、急速な値上がりに時期ずれが生じている。足元の価格転嫁の進捗(しんちょく)は半分程度。ずれが大きくなっている印象だ」と明かす。

鉄や銅・コバルトなどの非鉄金属、原油といった原材料価格は歴史的な高値で22年を迎えた。上昇傾向は今後も続きそう。コバルトは電気自動車(EV)の拡大観測が相場を支える。天候で発電量が左右される再生可能エネルギー比率の上昇が発電燃料(天然ガス)価格の高騰を招き、銅の製錬所の減産につながっている面もある。「ベースメタル価格が下がった時には景気が落ち込む恐れがあり、そこにも備えが必要だ」(業界関係者)。

日本電産の永守会長は「設計の工夫で競合と差別化する必要がある」と話す。TDKも「既存品は価格転嫁を進め、新製品は足元の原材料価格を織り込む。付加価値を訴求して理解を得たい」(山西専務)としている。

日刊工業新聞2022年2月2日

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