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ソルガムきびできれいになる旅#02 米国・ロサンゼルスを巡る

ヘルシーなものでおなかいっぱいに
ソルガムきびできれいになる旅#02 米国・ロサンゼルスを巡る

ヒューゴ・レストランは高級住宅街の中にある

**小麦粉からソルガムきび粉へ
ソルガムきびは、粒が固く、グルテンを含まないため、膨らみくいといった、調理する上での難点がある。こうしたソルガムきびの特性を生かし、メニューに上手く取り入れているのが、ロサンゼルス・ビバリーヒルズで人気の「ヒューゴ・レストラン」だ。

 高級住宅街の中にあるヒューゴ・レストランを訪れる客は、ハリウッドのセレブをはじめ、健康への意識が高い富裕層が多い。こうした客の嗜好に合わせて、ヒューゴ・レストランではいち早く、オーガニックなどの食材を取り入れてきた。

 グルテンフリーのメニューを提供するため、ロサンゼルスで最初にキヌアを紹介したのもヒューゴ・レストラン。オーナーのトム・カプランさんは、「ソルガムきびを取り入れるまでキヌアを使っていたが、ソルガムきびの方が栄養価が高く、味もいいのでPRしやすい」と話す。

 ヒューゴ・レストランでは、ホットシリアルやフライ、トルティーヤ、パイ、ケーキなど、10種類以上のメニューにソルガムきびを使っている。そのバリエーションは、ソルガムきびのコースが成立しそうなほど。主要な食材だけでなく、ソルガムきび粉や米粉、タピオカ粉などを混ぜた揚げ物の粉を使って小麦粉に似た食感や味を出すなど、お店全体で、小麦粉を減らし、グルテンフリーの穀物を増やす取り組みを行っている。

ソルガムきびを美味しく


 ソルガムきびを積極的に取り入れている理由についてカプランさんは「お店の発祥の地であるメキシコでは、ソルガムきびをはじめとした雑穀が普通に食べられているので、もともとなじみがあった」と話す。

 ヒューゴ・レストランはカプランさんの祖先がメキシコで肉屋としてスタートしたのがはじまり。カプランさんの祖父にあたるヒューゴさんが米国に移り、レストランとして店舗を広げた。カプランさんは5代目に当たる。

 カプランさんは曰く、ヒューゴ・レストランのコンセプトは、「ヘルシーなもので、おなかいっぱいになること」。

 ヒューゴ・レストランのソルガムのサラダは、粒のソルガムきびと卵の白身を炒め、肉のような食感を引き出している。また、スイーツのピーカンパイやキャロットケーキは、ソルガムきび粉だけで作っており、小麦粉のケーキとほとんど変わらない味と食感。カプランさんは「今後もソルガムきびを料理にどう使うか、研究していく」と、さらなるメニュー開発に意欲的だ。

 これまでソルガムきびをはじめとした雑穀の消費量は、ニューヨークなど東海岸の方が多かった。米国穀物協会や生産者団体のソルガム・チェックオフでは、ヒューゴ・レストランのような人気のレストランで採用されていることなどをアピールし、西海岸でもソルガムきびの定着をねらっている。

Hugo’s Restaurant
8401 Santa Monica Blvd., West Hollywood, CA 90069
ニュースイッチオリジナル
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
なんとなく、健康によいものは美味しくなくてもよい、むしろ美味しくない方が身体にいいんだ!なんて、言い聞かせて食べていたりしますが、ヒューゴ・レストランは、味が美味しくて驚きました。日本でも最近、穀物で肉を再現する大豆ミートのような食材がちらほら出てきていますがが、米国ではかなり定着しています。ソルガムきびは固いので、粒から料理しようとすると、1時間くらい水につけなければなりません。ヒューゴ・レストランでは、そのソルガムきびで肉を再現していて、シェフの努力を感じました。

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