デジタルモノづくりを実践で学ぶ!ストラタシス、3Dプリンティング入門講座実施

日本初は日大芸術学部デザイン学科

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「MakerBot」でプリンティングの様子を見守る生徒たち
**3Dプリンターの使い方や設計から製造までを学ぶ
 ストラタシスは中等~高等教育機関向けに3Dプリンターの使い方や設計から製造までを学ぶカリキュラム「3Dプリンティング入門:設計~製造編」を提供している。すでに英語版は2014年12月に米ストラタシス社より発表されており、米国やシンガポールでは導入が進んでいる。日本での導入第一号は日本大学芸術学部デザイン学科。2015年9月より14週間のプログラムを進めている。

 取材日は11回目の授業。前半はパラメトリックデザインについて学んだのち、ユーザーの好みに合わせてカスタマイズできる製品アイデアを各自考え、スケッチを発表した。

 後半では同社の3Dプリンター「MakerBot」を使用し、生徒たちがあらかじめ設計していた歯車や指輪などのモデルを造形した。授業を受けている生徒たちはすでに他社製の3Dプリンターを使用したことがあるが、「MakerBot」を使用するのは初めて。操作のしやすさ、造形の精密さに驚く声が聴かれた。設定などに多少の慣れは必要だが、同社メーカーボット テリトリーマネジャーの森崇弘氏のサポートも受けながら初めての造形物を完成させることができた。

「what」と「how」のバランスを


 学内の3Dプリンターはもともと試作などに使用されることが多かったが、最近ではアニメーションを学ぶ生徒が使用するなど新たな表現方法の一つとなってきている。今回カリキュラムのために導入された「MakerBot」は8台。現在はレンタルだが、カリキュラム終了後に購入することも検討しているという。

 同カリキュラムを教える日本大学 芸術学部デザイン学科 准教授の細谷 誠氏は、2012年ごろよりデジタルファブリケーションに携わっている。学外のファブラボでワークショップを行うことからはじまり、2013年より3Dプリンターを試験導入。同年からデジタルファブリケーションに関する講義を行ってきた。

 今までの『プロダクトデザイン』の教え方は、決まった仕様の中でマーケティングデータを反映させたデザインをひたすらスケッチする、というようなものが主流で、『何を作るか(what)』を考える授業はなかった。この反省から、だんだんと『what』を考えさせる授業も増えているが、そうすると逆に『どう作るか(how)』を考える授業が減ってしまう。「現在この2パターンを隔年で行き来しているという状況。どちらもバランスを取ることが必要」と細谷氏は話す。

 ストラタシスのカリキュラムは「3Dプリンターをどのように使うのか」ではなく、「そもそも何を作るのか」を考えさせることを重視しており、そういった点にしっかりと時間を割いている。デジタルファブリケーションを教える上で、必要なことが網羅された教科書になっているという。

マインドや発想を変えることも重要


 その一方で、新しい技術に対し保守的な考えを示す学生も多い。「モノづくりは手を使ってこそ、と考える学生は多い。もちろん間違ってはいないが、新しい技術にはぜひチャンレジしてみてほしい」(細谷氏)。学生のマインドや発想を変えることも重要だ。

 ストラタシスはカリキュラム以外でもサポートを積極的に行っている。デジタルファブリケーションの最新情報や事例を提供し、ストラタシスのショールーム見学も行っている。メーカー側がオープンイノベーションを提唱しはじめている現在、大学側も学外との連携を強めていきたい考えだ。「従来の産学連携という形ではなく、企業側と教育側で一緒になって新しいモノづくりを考えていきたい」(細谷氏)。

ニュースイッチオリジナル

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昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

デザインの定義が広がっている現在、デザイン系の学生もさまざまな知識を身に着け興味を広げ、新たなことに挑戦していく姿勢が求められています。両氏とも、「マインドを変える」ことの重要性を強調していました。

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