材料リサイクルで航空機エンジンの素材コストを4分の1以下に!

物材機構と早大が再生技術を開発。使用済みのタービンブレードを直接ブレード用超合金に

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使用済みのジェットエンジン用タービンブレード
 物質・材料研究機構の原田広史特命研究員と早稲田大学の鈴木進補准教授らは、航空機ジェットエンジンの耐熱超合金のコストを4分の1以下にするリサイクル技術を開発した。使用済みのタービンブレードを直接ブレード用超合金にリサイクルする。材料コストを下げ、発電用ガスタービンなどへの普及を目指す。

 物材機構はこれまで耐熱性1120度Cのニッケル超合金を開発している。汎用超合金に比べて耐熱温度が80度C高く、ジェットエンジンに採用すると燃費が2%向上する。ただレニウムやルテニウムなど高価な金属を合わせて10%以上添加していた。従来は各金属を別々に抽出し、精製していたためコストが高かった。

 研究グループは、酸化カルシウム製のるつぼで超合金を融解し、耐酸化性を損なわせる硫黄を吸着させた。これにより10ppm(100万分の1)だった硫黄の濃度を2ppmに低減した。

 さらに金属の配合を再調整し、合金化した。耐熱合金を試験で評価すると、強度は元の合金と同程度だった。今後、企業と連携して大型設備を使った製造工程の開発に取り組む。

日刊工業新聞2015年12月23日 科学技術・大学)

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村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

航空機エンジンや発電用ガスタービンの回転部品であるタービンブレード。羽根に吹き付けられる高温ガスに耐えられる耐熱性、回転体であるため軽量で高強度であることなどが求められるため、その素材には高価な合金が多く含まれている。このような高価な合金をより高精度に簡単に回収して、再利用できるようになった、ということだろう。

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