カナディアン・ソーラー日本法人トップへ電撃就任の真相

外資の戦いを知り尽くした前サンテックパワージャパン社長の山本豊氏に聞く

山本社長
 カナディアン・ソーラー・ジャパン(東京都新宿区)の社長に12月1日付でサンテックパワージャパン(同)前社長の山本豊氏が就任した。日本法人トップとはいえ、世界の太陽電池市場でしのぎを削る競合への転身は電撃的だ。一時、世界首位に立った中国サンテックで成長路線も経営危機も経験し、外資による日本市場での戦い方も知り尽くす山本社長に新天地へかける思いを聞いた。

 -サンテックを辞めたのが7月末でした。転身は電撃的でした。
 「違う業界も検討していたが、同業からの誘いが多く『日本の太陽光の世界でやってほしい』とエールもいただいた。最後はショーン・クゥ(カナディアン・ソーラーCEO)からの連絡で決断した。サンテックで長い経験がある。築いてきたネットワークを生かすのが使命だ」

 -カナディアン・ソーラーの印象は。
 「サンテックの次に日本に本格進出した外資であり、地に足をつけて事業を大きくしてきた。ショーンはリスクを考えて一歩一歩、経営を進めている。春にシャープの北米事業を2億ドルの巨費を投じて買収していたが、財務は健全だ」

 -1年後には全世界の生産能力が500万キロワット(現状433万キロワット)を超え、巨大メーカーとなります。急激な成長が仇となり、経営危機を招きましたサンテックの姿がよぎりませんか。
 「カナディアンの各国の拠点は、需要に供給が追いついていない。気候変動枠組み条約第21回締約会議(COP21)の合意で途上国も二酸化炭素(CO2)排出削減目標を持った。どの国にも低炭素化対策のために太陽光が有力なエネルギーとなるので、ニーズはなくならない」

 -日本市場は逆に縮小が始まりました。
 「固定価格買い取り制度が始まった12年からが異常で、10年や11年と比べるべきだ。努力しなくても太陽光パネルが売れた時代は終わり、全量買い取りや補助金がなくても成長できる事業計画が求められている」

 -新社長として事業方針は。
 「15年12月期の日本の販売は82万キロワットの見込み。市場が厳しくても前年実績を超え、日本でシェア10%を狙える。外資でトップであり、450社の代理店網もある。これだけ存在感があれば安心だ。発電した電力を自分で使う自家消費に向け、蓄電池を含めたパッケージで商品を考えていきたい」

 【記者の目】
 山本社長への初めてのインタビューは10年前後だった。世界最大の太陽電池メーカーに躍進した注目と、中国メーカーへのネガティブなイメージが入り交じる中で日本法人を指揮していた時期だ。外資トップに育てたサンテックの退任は自らの意思ではないはず。志半ばであるなら、新天地でぜひ、買い取り制度に頼らない事業モデルを作り、太陽光への逆風をはね返してほしい。
 (聞き手=松木喬)

2015年12月23日 エネルギー面

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松木喬
編集局第二産業部
編集委員

太陽光パネルの需要にブレーキがかかり、業界として下り坂にさしかかりました。そんな市場環境でありながらも再び、太陽光の世界に飛び込んできました。単純な価格競争、シェア争いではなく、太陽光が正常に普及するためビジネスモデルの構築を期待したいです。

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