政府が10兆円ファンドで支援する「世界と伍する研究大学」、認定要件の最大のハードルはここだ!

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政府の10兆円大学ファンドの中心対象となる「世界と伍する研究大学」の議論で、文部科学省検討会議は「国際卓越研究大学制度」(仮称)の案を大筋で了承した。認定要件は①ガバナンス体制(合議体の設置など)②研究力③事業・財務戦略(財源の多様化、3%の事業成長、独自基金の造成)―の三つだ。対象は数校。半数以上などを求める合議体の学外者選びなど、計画が整った大学から段階的に申請・認定が行われる。

1月の内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)専門調査会と、本会議でとりまとめて通常国会へ関連法案を提出する。

認定は文部科学相がCSTIの意見を聞いて実施。これまで「特定研究大学」(仮称)としてきた名称については未確定。認定校に対する国のモニタリングは、CSTI専門調査会や文科省の科学技術・学術審議会が行う。

認定校での国立大の規制緩和は、長期運用が可能な各大学独自基金や、資産運用の子会社設置の項目が上がった。

高度な教育研究プログラムを提供する場合の授業料の弾力化(引き上げ)も、検討対象となっている。

関連記事:東大が1000億円の独自基金、大学債“2本目”が示すモノ

日刊工業新聞2021年12月28日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

認定要件のうち、私が一番のハードルだと思うのは、独自基金の立ち上げだ。10兆円ファンドは、国が巨額の借金の形で研究大学を支援するつくりだ。そのため対象大学には「大学独自の基金(エンダウメント)を立ち上げ、規模を拡大し、運用利益を自らの研究教育に注入し、いずれ自立できますね」という問いに応えられるだけの準備が必要だ。申請段階である程度、独自基金の核がないと難しいだろう。東大は1000億円基金の中長期ビジョンを発表している。京大は本庶先生の係争区切りで、小野薬品寄付の基金話がまとまった。阪大が感染症を中心に、日本財団から受けた寄付も巨額だ。東工大の場合は田町の土地活用で、長期の安定収入が確実となっている。いずれも2021年に明らかになった案件だ。22年は各大学間で、さらに展開を競うことになるだろう。

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