「水素社会」を生活の中でイメージ―ダイニチ工業が水素燃料のファンヒーター試作
ダイニチ工業は水素を燃料としたファンヒーター(写真)の試作品を開発した。水素は炭素を含まない分子構造のため炎の色は無色透明で、燃焼反応と同時に水が発生することから、水分量の多いしっとりとした温風が特徴だ。政府は水素社会の実現を掲げて各種施策を進めているが、現状では水素を使う側の機器が家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車などに限定されている。そのため暖房器具という新たな水素の用途を提案し、水素社会の実現に貢献する狙い。
ダイニチ工業は石油ファンヒーターで国内シェア約50%とトップ。石油以外にも電気を熱源としたセラミックスファンヒーターに参入したほか、岩谷産業とカセットガスファンヒーターを共同開発するなど、ファンヒーターであらゆる熱源への対応を進めている。
今回の水素ファンヒーターもその一環で、石油ファンヒーターで培った燃焼・電子制御技術を応用して開発した。暖房で使用する水素の量は1時間当たり0・33立方メートルとなる。
現時点では水素の供給方法が確立されていないほか、水素の価格が高く、発売の時期は未定だ。また、暖房能力1キロワットに対し、水分の発生量が1時間当たり270ミリリットルと多いため、給水が不要な加湿器としての開発も検討する。水素の製造・貯蔵・輸送で革新的な技術が確立すれば、一般消費者向けの暖房器具でも水素の活用が進みそうだ。
ダイニチ工業は石油ファンヒーターで国内シェア約50%とトップ。石油以外にも電気を熱源としたセラミックスファンヒーターに参入したほか、岩谷産業とカセットガスファンヒーターを共同開発するなど、ファンヒーターであらゆる熱源への対応を進めている。
今回の水素ファンヒーターもその一環で、石油ファンヒーターで培った燃焼・電子制御技術を応用して開発した。暖房で使用する水素の量は1時間当たり0・33立方メートルとなる。
現時点では水素の供給方法が確立されていないほか、水素の価格が高く、発売の時期は未定だ。また、暖房能力1キロワットに対し、水分の発生量が1時間当たり270ミリリットルと多いため、給水が不要な加湿器としての開発も検討する。水素の製造・貯蔵・輸送で革新的な技術が確立すれば、一般消費者向けの暖房器具でも水素の活用が進みそうだ。
日刊工業新聞2015年12月22日エネルギー面