小型MLCCで村田に唯一対抗できる太陽誘電のポストスマホ戦略

新社長、登坂正一氏に聞く

  • 0
  • 0
太陽誘電・登坂正一社長
 《積層セラミックコンデンサー(MLCC)など主力商材の開発で会社の成長に貢献してきた》
 「10年、20年先を見据え、次の成長に向けた筋力づくりをするのが私の役目だと認識している。このため就任後に経営理念を再定義した。事業規模が拡大する中で、”信頼と感動を与える企業“という太陽誘電のあるべき姿、方向性を会社全体で共有していきたい」

 《今年発表の中期目標では売上高3000億円超、株主資本利益率(ROE)10%以上を掲げる》
 「部品を多用するモノのインターネット(IoT)の普及など事業環境が変化する中、モノづくりにしても、営業にしても今まで通りのやり方の延長線では通用しない。社員一人ひとりのレベルアップはもちろん商機を迎えた時に、M&A(合併・買収)を含めた投資をタイミングよく実行できるよう経営基盤を強固にする」

 《主力のスマートフォン以外の開拓を積極化している》
 「素材開発や顧客ニーズを元にした新商材を短期間で提供できる強みがある一方、ニーズを先読みし、顧客が驚くような製品を提案する力はまだ弱い。新規開拓を担う200人規模の技術営業職はもちろん、ビッグデータの活用などを通じて新たな潮流をいち早くキャッチし、事業に結びつける体制にする」

 《趣味は読書で、数学にまつわる本や歴史書を読む。休日は「格好良く言えばガーデニングだが、いわゆる庭の草むしり」をして気分転換する》。
(文=下氏香菜子)
 <略歴>
登坂正一(とさか・しょういち)79年(昭54)名古屋工大工卒、同年太陽誘電入社。06年取締役上席執行役員、07年専務取締役上席執行役員、12年取締役専務執行役員、群馬県出身、60歳。11月1日就任。

日刊工業新聞2015年12月15日 電機・電子部品面

COMMENT

尾本憲由
編集局
ニュースセンター長

右肩上がり一直線だったスマホ市場の先行きが怪しくなり、全員が勝ち組という電子部品の市場環境は終焉を迎えつつある。もちろんスマホ以外にも自動車やIoT、ヘルスケアなど、さまざまなアプリケーションで電子部品の需要は拡大しており、今後も成長産業であり続けるだろう。しかし競争環境や勝利の方程式も大きく変わらざるを得ず、スマホ向けで大手の一角にいることがそのまま勝ち組を意味しない。同社が推し進めてきた非スマホ市場の開拓の成果が問われるのは、それほど先のことではないだろう。

関連する記事はこちら

特集