ニュースイッチ

立命館大、空気を抜いて折りたためるビニールロボット開発

ロボット自体は柔らかく、人間にぶつかっても傷つけにくい
 立命館大学ロボティクス研究センターの川村貞夫センター長・教授は、ビニール袋とプラスチック部品だけで構成するロボットアーム(写真)を開発した。空気を抜けば折りたため、簡単に加熱殺菌できる。動作精度は1ミリメートル以下。エンターテインメントや食品工場などに提案していく。3年内の実用化を目指す。

 関節に複数のビニール袋を束ねて収納し、袋を膨らませる数で関節の角度を調整する。関節内にエアーロック機構を設け、関節の振動を止めた。カメラ画像で手先の位置を補正して精度を高める。4軸のロボットアームの場合、繰り返し動作の位置精度が0・3ミリメートルだった。

 約1キログラムの物を持てるため、野菜などの仕分けに利用できる。ロボット自体は柔らかく、人間にぶつかっても傷つけにくい。エンタメロボットに利用しても安全性確保のための監視人がいらない。

 構成パーツはポリエチレンの袋を溶着して作製している。水で洗え、安価で交換しやすい。形状を自由にデザインできるため、まずは販促ロボを実用化する。
日刊工業新聞2015年12月16日 ロボット面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
いろいろなキャラクターの形にして動かしたら、着ぐるみのように活用できるかもしれません。

編集部のおすすめ