AI訓練用サーバーの設計デザイン、フェイスブックがオープンソース化

大量のGPU搭載し、処理速度2倍に

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オープンソースとして公開する「ビッグサー」サーバーの内部(FBのブログから)
 人工知能(AI)の訓練用に使われるコンピューターサーバーの設計デザインを、フェイスブック(FB)がオープンソースとして公開すると発表した。コードネーム「ビッグサー(Big Sur)」というこのマシンは1年半をかけて開発され、ディープラーニング(深層学習)の処理に適しているグラフィックスプロセッサー(GPU)のボードを8枚搭載する。

 オープンソース化することで利用者はハードウエア開発のコストを下げられる利点がある。さらに、FBとしてはディープラーニングにかかわるハードウエアとソフトウエア含めた技術開発を加速させる狙いがあるという。

 ビッグサーは米エヌビディアのNVIDIA Tesla M40チップで構成するGPUボードを搭載したオープンラック式のサーバー。画像認識や音声認識、自然言語処理といった用途向けに、大量のデータを使ってディープラーニングのニューラルネットを訓練する速度がこれまでの2倍になっているという。

 FBは米国内外にある自社のデータセンターにもビッグサーを導入する。これに先立ってFBはディープラーニングモジュールソフトの「トーチ(Torch)」も今年1月にオープンソース化しており、グーグルが買収したAIベンチャーの英ディープマインド・テクノロジーズなどが利用している。

 FBは2011年から、自社のデータセンターに使われるサーバーについて「オープン・コンピュート・プロジェクト」と名付けたオープン化のプロジェクトを展開。台湾のサーバーメーカーであるクォンタと組んで設計したもので、HPやデル、IBMといったコンピューターメーカーのサーバーを購入するよりも、システムを安く構築できるメリットがある。グーグルやアマゾンなどもこれと同様に、アジア企業と協力して低価格サーバーを自社設計している。

 「ビッグサー」はもともと「南の大きな国」を意味するスペイン語に由来し、カリフォルニア州の海岸線にある観光地の地名。アップルがマック用OSのOSXで、バージョンごとに「ヨセミテ」「エルキャピタン」などカリフォルニアの地名を付けているが、FBがなぜ、それにならうような命名をしたのかは不明だ。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

ソフトウエアでもハードウエアでもIT産業ではオープン化が大きな流れになっている。AI関連もその傾向が顕著になってきた。先行する企業がオープン化を推進して業界をリードするという構図だが、AIの研究開発に力を入れる日本の研究機関や企業はオープン化の果実を味わうだけではなく、推進する側に回ってほしいところだ。

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