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意外とかかる事業承継のお金。準備不足の実態が明らかに

エヌエヌ生命が調査。年間売上高の約半分
 中小企業の経営者が事業承継に必要と考える資金は「年間売上高の約半分」という調査をエヌエヌ生命保険がまとめた。その半面、実際に資金を準備できているとの回答は全体の46・1%にとどまる。その理由も「事業を継続するのに精いっぱいで資金準備の余裕がない」という答えが37・%に上っている。

 事業承継資金のうち、準備不足で苦慮した資金使途については「当面の事業運転資金」の回答割合が最も高く全体の60%に達した。今回の調査では経営者の高齢化に伴い、病気や急逝で突然、後継者が事業承継に直面するケースが増えている実態も浮き彫りになった。今回の調査に協力した税理士の小川実氏は「資金面での準備不足が円滑な事業承継を阻んでいる」とした上で、後継者育成と同時に資金準備の重要性を指摘している。

 事業承継に必要な資金に関する設問は、どの程度の金額が必要かをたずね、これを回答者ごとの対売り上げ比平均の形で算出した。
2015年12月11日付日刊工業新聞総合4面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
この調査のポイントは、十分な事業承継資金が準備できていると考える経営者が全体の半分以下にとどまることです。経営者の高齢化が進んでいるだけに、早めの対策が必要と警鐘を鳴らしています。

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