トップクラスの研究者を育成、立命館大が立ち上げた新アカデミーの全容

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立命館大学はトップクラスの研究者を育成するための「立命館先進研究アカデミー(RARA)」を立ち上げた。 独自の称号「RARAフェロー」になると、分野や個々の事情に合ったオーダーメードの研究支援を受けられる。 文部科学省科学研究費助成事業でS、Aクラスの研究者を対象に公募を始めた。 これまで若手・中堅研究者を支援してきたが、他の研究大学と競争する上でトップ研究者を組織的に養成する方策が必要だと判断した。

RARAフェローは優れた研究業績を持つ中核的な50代前後の教授・准教授を対象とする。 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R―GIRO)で育てたプロジェクトリーダー層らを想定。 支援額は最大で年間1000万円とし、5年間支給する。 博士研究員や秘書、授業担当者らの人件費などに充てる。 人文・社会科学系を含め使い勝手を重視した。 2022年度の開始予定で約10人を選定する予定。

立命館大は30年代に世界的な社会共生のための次世代研究大学となる目標を掲げる。 RARAはこの目標を達成するための中核研究者の育成と支援の役割を持つ。 RARAフェローは他大学・研究機関との連携、異分野融合の学内交流コロキアム、フェロー候補者の養成も担う。 また、同大は若手からトップ研究者まで一貫して育成することを念頭に博士学生を経済支援する「RARA学生フェロー」制度も始めた。

同大は近年、中堅研究者支援が功を奏し、科研費の件数・金額で慶応義塾大学、早稲田大学に次ぐ私立大3位の地位にある。 一方、国立大学などはトップ研究者が弟子筋の博士人材や講座制のネットワークを生かし大型研究に取り組んでいる。 そこで立命館大はRARAを通じ、トップ研究者の育成と研究支援を図ることにした。

日刊工業新聞2021年10月14日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

若手・中堅の研究者支援は日本全国の課題で、各研究大学も多様な対策をとっている。が、中核・トップクラスの研究者となると、育成の意識自体、持っている大学は少ないことに気づいた。国立の研究大学なら、ベテランはバリバリ自分で動いて外部研究費も取ってくることが「当たり前」とされるからだ。だがそれは、指導する学部学生数も少なく、基本的な研究環境も整備されていて、国立大は私立大に比べて「下駄を履いている」からのことだ。私立大学の研究重視路線は容易ではなく、だからこそベテラン層も意識的に支援していくという立命館大の姿勢は、大きな個性といえるのではないか。

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