「働きがい」向上を目指す百五銀行、副業制度を導入した狙い
ダイバーシティー経営に取り組む企業が増える中、百五銀行は従業員の「働きがい」向上を目指した施策を取り入れ、多様な人材が能力を発揮できる職場づくりを進めている。70歳まで継続して勤務できる雇用延長などのほか、8月には副業制度を導入。多様な働き方ができる環境整備に取り組んでいる。
働きがい向上の取り組みは、前中期経営計画(2016―18年度)の中で進めた働き方改革がベースになっている。前中計では、時間外勤務時間の18%削減という長時間労働の是正で成果をあげた。男性従業員の育児休業取得も促進した。働き方改革の成果をさらに深耕しようというのが、現在の中計(19―21年度)に盛り込んでいる働きがいのある職場づくりだ。
70歳までの雇用延長は、4月の「改正高年齢者雇用安定法」施行に合わせて実施した。満65歳到達月の月末までだった再雇用年齢を、満70歳到達月の月末まで再々雇用する。対象者はアシストスタッフの名称で、パート勤務として長年培った専門性やノウハウを生かしてもらう。
長く働ける仕組みづくりが整うことで、従業員はキャリアビジョンを描きやすくなる。能力の生かし方、処遇面などを含めて高年齢者が意欲的に働けるように整備を進める。
副業制度は全従業員を対象に導入した。多様な働き方を通じて、主体的なキャリア形成やセカンドライフ準備を支援するのが目的だ。銀行が行う業務は対象外としており、副業に従事する場合は事前に申請し、休日などを使って行う。
従業員が持つ資格、特技を生かした活動を想定。具体的には民間委託が進みつつある学校部活動の指導員などが想定されるという。
「従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる職場風土の醸成を進めたい」(津田真寿美ダイバーシティ推進部長)と柔軟で選択肢の多い職場環境を整備していくという。