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トヨタ、いよいよ来年度から生活・リハビリ支援向けロボの量産準備

「広瀬」に専用拠点、まず年数十台を生産
 トヨタ自動車は2016年度をめどにサービスロボットの量産準備に入る。広瀬工場(愛知県豊田市)敷地内のパートナーロボット棟に専用生産拠点を設け、生活支援ロボット「HSR」やリハビリ支援ロボットを年数十台生産する。20年以降に訪れる普及期に向けて最適な量産方式を模索する。サービスロボットの実用化をにらみ、メーカー側も生産体制を整える時期を迎える。

 施設は当初400平方メートル程度になる見通しで投資額は1億円以下に抑える。効率的な生産方式が整い次第、量産に必要な機械類を導入していく。パートナーロボット棟はロボットの研究開発施設として08年に設置された。

 まず、プレ量産としてHSRを年間約40台生産する。数年で同100台規模に引き上げる。リハビリ支援ロボットも需要に応じて生産する。ロボットは現在、手作業の組み立てが中心。セル生産方式やライン方式の採用、外注といった具体的な方式については、高品質や信頼性を維持できる体制にするよう今後詰める。 

 トヨタは生活支援ロボットの早期実用化を目指し、公募方式で企業や研究機関と連携する「HSR開発コミュニティ」を15年に発足した。早々に連携先を40程度に増やしたい考えで、まずは連携先との研究開発に使うロボットを生産して量産の仕組みを磨き上げる。

 一方、リハビリに使う介護・医療支援ロボット「歩行練習アシスト」、「バランス練習アシスト」は30を超える医療機関に有償提供し、臨床研究を進めている。これらも早期の実用化が期待され、量産を検討する必要が出てきた。

 トヨタは米カリフォルニア州に人工知能(AI)の研究・開発拠点を16年1月に新設し、20年までに約1200億円を投じる。生活支援ロボットでもAIを活用し高度化させたい考え。
日刊工業新聞2015年12月11日 ロボット面
政年佐貴惠
政年佐貴惠 Masatoshi Sakie 名古屋支社編集部 記者
いよいよ!という印象。年産数十台と規模は大きくないが、量産段階に移行するという点に意義がある。トヨタの量産開始でサービスロボット市場がどうなるのか、注目したい。

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