JAL「787」でビッグデータ活用し故障予見

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JALは787の整備効率化を進める
 日本航空(JAL)は、航空機のエンジンや部品から得られるビッグデータ分析を活用し、米ボーイング787型機の整備の効率化を進める。787に搭載する電気ブレーキのブレーキディスクにセンサーを設置して温度をモニタリングする。このデータを分析した結果、故障前にブレーキが異常発熱することが分かった。これを受け、左右のブレーキディスクに温度差が3度C以上になると警告を発し、事前に構成部品の交換などを実施。故障の予兆を捉え、遅延や欠航を低減する。

 電気ブレーキのモニタリングは、ボーイングが提供する整備支援システム「エアプレーン・ヘルス・マネージメント・サービス(AHM)」で実施する。AHMは飛行中の航空機から、さまざまなデータをリアルタイムで送り、地上システムのデータと合わせて、到着後に最適な整備処置などを整備に提供するシステム。JALはAHMを2006年から他の航空会社に先駆けて導入した。

 787は従来の油圧ブレーキではなく、電動装置でブレーキディスクを作動させる電気ブレーキを導入している。電気ブレーキの不具合は、ブレーキ間で制動負荷が不均一になった場合に発生しやすい。JALは作動時に各ブレーキディスク間で温度差が生じることに着眼し、787のAHMから可能になった警告機能などを利用し、故障の予兆となる温度差を3度Cと設定し、警告を発する仕組みを構築した。不具合が発生する前に部品の交換などを行うことで、運航への影響を最小限にとどめる。

 航空機業界はこれまでもさまざまな予防保全技術を導入しているが、ビッグデータ解析手法の採用で、整備の効率化と安全性向上の両立につながることが期待されている。電気ブレーキのモニタリングは、ボーイングが提供する整備支援システム「エアプレーン・ヘルス・マネージメント・サービス(AHM)」で実施する。

日刊工業新聞2015年12月11日1面

COMMENT

JALが787に予防保全の技術活用。システムはボーイング提供とのこと。航空機メーカーは、単に機体を売るだけでなく「使い方」や「メンテ」の仕方も、かなり具体的に提案しているようです。

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