「固定」「携帯」「公衆」、国民生活に不可欠な電話はどれ?

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NTT東西では赤字事業となっている

情報通信審議会(総務相の諮問機関)は7月7日、公衆電話の設置基準の緩和に関する答申をまとめた。現在は市街地で約500メートル四方、その他は約1キロメートル四方に1台以上設置することとしているが、1キロメートル四方、2キロメートル四方に改める。これにより、NTT東日本、NTT西日本が総務省の設置義務に基づいて運営する第一種公衆電話は、現在の10万9000台から4分の1に当たる2万7000台に減ることになる。

公衆電話は携帯電話の普及で利用が減少し、NTT東西では同事業の赤字が続く。そのため、利用者の利便性を低下させない範囲で設置台数を削減できることとした。一方、自然災害の増加に対応し、災害時に避難所などで無料で利用できる公衆電話を新たに設置基準のある全国一律(ユニバーサル)サービスの対象に加えることが適当とした。

日刊工業新聞2021年7月8日

COMMENT

志田義寧
北陸大
准教授兼経済ジャーナリスト

固定電話、携帯電話、公衆電話――。さて、この中で国民生活に不可欠なサービスはどれでしょうか?「そんなの携帯電話に決まっている」、多くの人がこう答えると思います。しかし、答えは違います。固定電話と公衆電話です。より正確に言うと、NTT東西会社が提供している固定電話(加入電話・IP電話)と第一種公衆電話です。これらのサービスは国民生活に不可欠なサービス(ユニバーサルサービス)として指定されており、NTTは「どこでも、誰もが利用できる料金」で提供しなければいけない義務を負っています。しかし、NTTの固定電話は本当に国民生活に不可欠なサービスと言えるのでしょうか?NTTの固定電話契約数は1997年11月の6322万件をピークに年々減少しており、2020年度末には1587万件まで落ち込みました。情報通信政策研究所がまとめた「2021年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、固定電話の平日の利用率はわずか3.4%にとどまっており、通信の主役はすでにメールや携帯電話に移っています。今後、使われなくなることが確実なサービスに投資するほど無駄なことはありません。国民生活に不可欠な電話は何か。そろそろ抜本的に見直す時期が来ているのではないでしょうか。

キーワード
電話

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