イオン、取引先50社と災害時の情報共有化へ

食品や日用品メーカーの工場・倉庫在庫などを把握、迅速に被災地に供給

イオン 災害時の物資供給体制
 イオンは加工食品メーカーなど50社と組み、震災など大規模災害時にメーカーから迅速に商品供給してもらう商品在庫情報の共有化に乗り出す。災害時にメーカーの工場などから出荷可能な商品の情報を共有化。ネット上で確認しイオンのグループ会社を通じたムダのない物流で被災地に迅速に届ける仕組みを構築する。メーカーと在庫情報を共有化し被災地に迅速に商品を届ける体制を整備するのは同社が初めて。

 イオンとメーカーの在庫情報共有化の仕組みは来年3月から本格展開する。まず加工食品、パン、おにぎり、日用雑貨メーカーなど50社と連携、メーカーの工場など商品の在庫拠点にどれだけ出荷可能な商品があるかを「イオンBCPポータルサイト」をベースにして共有化する。

 在庫拠点に商品がある場合は、イオンのサプライチェーンマネージメントを担当するイオングローバルSCMが商品を引き受けて、被災地の店舗などに迅速に供給する体制を整備する。イオンがトータルで管理し、適切に被災地などに配荷する。

 流通業としては災害時に、被災地にある店舗を継続して運営、商品を供給し続けることが求められる。メーカーと在庫情報を共有し、被災地に近い在庫拠点から迅速に出荷してもらい、過不足のない供給体制を作る。

 同社によると、東日本大震災時には特定の商品の供給が多くなったり、また時間が経つと被災地での需要も変化したりすることから災害時は適切な量のタイムリーな供給が求められるという。

被災店舗をネット地図で把握


 イオンは災害時にインターネット上で店舗の被災状況などを把握する地図情報システムの構築に乗り出した。同社の全業態を対象にして店舗の被災の様子、電気などライフラインの状況などをネット上で閲覧できる。同社は災害時にメーカーなどと連携して情報を共有化し、物資を店舗に継続的に供給する体制を築き始めている。合わせて店舗の被災状況などを把握し、迅速に店舗を支援する体制を整える。

 地図情報システムは店舗のある地域の被災状況や停電などライフラインの状況、さらに店舗の担当者による店舗被災状況報告を地図上で一元的に簡単に把握できる。総合スーパー(GMS)、食品スーパー(SM)、小型店など、同社が展開している全業態が対象だ。

 地図上で一元的に把握し、物流体制や商品の供給体制を検討する上で重要な情報として利用する。今後はさらに民間企業や自治体など提携先を増やして情報を提供してもらう方針で、災害時はこの情報を地図上に落とし込んで活用する。

 イオンは食品メーカーなど50社と組み、メーカーの工場や倉庫などにある在庫情報をネット上で共有化、被災地店舗へ供給してもらう体制を整備した。これに合わせて店舗と周辺地域のより詳細な情報を把握して、災害時に迅速に店舗を支援できる体制を築く。

日刊工業新聞社2015年12月8/9日生活面

COMMENT

 イオンが取引先と連携した災害時の供給体制の構築を始めました。メーカーの在庫がどこにあり、どれくらい被災地に供給できるかということがいち早く分かる仕組みです。流通はまさに電気や通信などに並ぶ、被災地への物資供給のライフラインとなります。物資の調達とともに日常的なロジスティクス体制を災害時にいかに生かせるかがカギとなりそうです。

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